阪神・佐藤輝 異次元の零敗阻止15号2ラン 「長嶋茂雄賞」級の全力プレーに藤川監督評価「周りがどう響くか」
「阪神2-3西武」(3日、甲子園球場)
最終盤に衝撃の一発が飛び出した。3点を追う九回無死三塁。佐藤輝明内野手(27)が左翼ポール際に15号2ランを放った。犠飛かと思われた打球がスタンドインする異次元の逆方向弾。交流戦は2勝5敗と厳しい戦いが続くが、4日は防御率0・68を誇る平良を攻略し、再び勢いを取り戻す。
高々と舞い上がった白球は、なかなか落ちてこない。佐藤輝は打球を見つめながら、スタンドの虎党のどよめきを全身で浴びた。「良かったです。いいところに飛んでくれたかなと思います」。リーグ単独トップの15号2ラン。異次元の逆方向弾でミラクル勝利を期待させた。
3点ビハインドの九回無死三塁。相手守護神のドラフト2位・岩城(中大)の直球を捉えた。打った瞬間は飛距離十分の犠飛かと思われたが、打球はグングン伸びていく。左翼の桑原も最後は見送り、ポール際に飛び込んだ。2試合ぶりで3カード連続の一発。左中間へのアーチはあったが、左翼方向へは今季初だ。
二回無死では左翼と遊撃の間にポトリと落として、自己最長タイの14試合連続安打。安打も本塁打も見事だが、藤川監督が高く評価したのは全力疾走だった。四回無死一塁で二ゴロに打ち取られたが、懸命に一塁を駆け抜けた。一度はアウトの判定も、リクエストで覆った。この場面を指揮官は褒めた。
「それを見てね、周りがどう響くか。その姿を見て感じなければいけないし、連動してこなければいけない。誰かに任せていればそうなるかもしれない。そういう情けないチームにするつもりはない、というところですね」
この日は長嶋茂雄さんの一周忌でもあった。プロ野球界の発展に大きく貢献し、走攻守の全てでファンを魅了した。佐藤輝は今の球界を背負い、代表する一人。打つだけでなく、全力疾走の大切さを改めて感じさせてくれた。
今季からはファンを魅了した野手から選出される「長嶋茂雄賞」が新設された。現時点でリーグ3冠に加え、守備でも好プレーが光る。「最後に取れれば、最終的にいいかなと思います」と冷静だが、最も近い男と言えるだろう。
交流戦は日本ハム、ロッテ、西武と、ここまでの対戦球団の全てから本塁打を記録。残りのカードも打てば、球団では2005年の金本知憲、今岡誠以来、史上3人目の1シーズン11球団制覇弾をクリアする。「最後まで諦めない姿勢というのを見せていければなと思います」。次は、勝利につながるアーチを描く。
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