阪神・嶋村 2年目のプロ初安打 1軍の舞台で日々勉強「ベンチに座って見ているのが一番の特等席」

 8回、右前へ安打を放つ嶋村(撮影・田中太一)
 8回、プロ初安打を放ち、笑顔を見せる嶋村
 8回にマスクをかぶった嶋村
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 「DeNA16-9阪神」(21日、横浜スタジア

 阪神・嶋村麟士朗捕手(22)に待望のプロ初安打だ。八回に坂本の代打で登場すると、右前に打球を運んだ。プロ2打席目に飛び出した記念の一打が、乱戦の横浜スタジアムにしっかり刻まれた。佐藤輝の猛打賞、3打点などでチーム今季最多の14安打。9得点を挙げながら、2019年以来の16失点を喫し連勝が3でストップ。藤川監督の通算100勝もお預けとなった。

 打球が一、二塁間を抜けると、嶋村は満足げにうなずいた。筒井外野守備走塁コーチからグータッチで祝福を受けると、思わず笑みがこぼれた。「練習から、自主トレからやってきたことが出たかな」。大歓声に包まれ、万感の思いだった。

 4点ビハインドの八回先頭だった。代打で登場し、伊勢の外角フォークを捉えた。難しいコースだったが、力強く引っ張り右前へ運んだ。プロ入り後初めてのHランプをともした。「もう来た球を打つぐらいの意識。そのぐらいしかなかったですね」。半ば強引とも言えるスイングだったが、出塁でチャンスメーク。その後、3点を返した逆襲の火付け役となった。

 さらに初マスクの機会も訪れた。「思い切りやろうと思っていた」と2投手を懸命にリード。6失点を喫したが、捕手としてもプロの第一歩を踏み出した。

 いまだ鮮明に「覚えている」試合がある。昨年、9月14日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)。この日は九回までマスクをかぶった。投手陣を3失点にまとめ、勝利を収めた。だが、本隊が宿舎へ帰り始めてからも嶋村は約1時間球場にとどまり、当時の日高2軍バッテリーコーチから指導を受けていた。

 試合前には必ずデータを確認して研究を怠らない嶋村だったが、「あの日はリードに自信がなかった」と明かす。「どれだけ話したか分からないし、自分に生きていることもいっぱいありすぎて。日々、『こうしたら良かったな』の繰り返し。切り替えながら前に進んで行きたい」。今でも指針となっている。

 1軍では勉強の連続だった。今季はいわゆる“第3捕手”の立場として出場機会を待つ日が続いた。その時間を決して無駄にはしていない。

 ベンチでは藤川監督の前に陣取りノートにメモを取る姿が目立った。「感じていることを書くようにしています」。内容は球場の雰囲気から、自軍の守備位置など、多岐にわたる。試合後に確認しながら、流れを振り返る作業を続けている。「映像よりもベンチに座って見ているのが一番の特等席なので」。準備を怠らない先輩たちの姿に刺激を受け、努力を重ねている。

 歓喜の一本は生まれたが反省も忘れない。「もう一回振り返って、次、そういう場面が来たときにはゼロで抑えられるようにしたい」。ホームベースからの景色も嶋村にとって特等席だ。大量失点を喫した守備を反省し、次につなげてみせる。記念球は「親にあげようかな。僕が持っていてもあれなので。面倒をずっと見てくれた親にあげようかな」。ようやく刻んだ第一歩。自らの手で恩返しを続けていく。

 ◆嶋村 麟士朗(しまむら・りんしろう)2003年7月13日生まれ、高知県出身。22歳。177センチ、90キロ。右投げ左打ち。捕手。高知商-四国ILp・高知を経て24年度育成ドラフト2位で阪神入団。昨季はウエスタン・リーグで58試合に出場し打率・266、1本塁打、22打点。今年3月11日に支配下へ昇格。4月16日巨人戦で1軍公式戦初出場を果たした。

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