阪神・近本が明かす引退・原口への思い 「続けてたのはすごい」自分のやり方貫き通す姿が道しるべに

 阪神・近本光司外野手(31)がこのほど、今季限りで引退した原口文仁氏(33)への知られざる思いを語った。近本にとって同氏は尊敬する先輩の一人。涙した引退セレモニーを振り返り、7年間で影響を受けた言葉や姿勢についても明かした。

 シーズン最終戦となった10月2日、甲子園でのヤクルト戦。ウイニングボールはくしくもリーグ優勝の時と同じく、近本の元に飛んできた。優勝の瞬間は「ホッとした」感情だったが、それとは違う特別な思いが近本の胸にこみ上げていた。

 「フミさんのことが頭に浮かんだかな。最終戦がどうとかっていうよりは、フミさんの顔が出てきた」

 この日はレギュラーシーズン最終戦でもあり、原口氏の引退セレモニーの日でもあった。試合後、スタンドマイクの前に立ち、丁寧に言葉を紡ぐ原口氏の姿に、近本も涙を流した。「僕はそういう年齢なんで。引退試合しかり、アニメしかり、なんで泣いちゃうんだろうっていうのはある」と照れ笑いしながら、「やっぱりいろんな思いがあると思うから。その人の背景が見えるようなことがあれば…」と涙の理由を明かした。

 2人の接点はあまりないように思うが「バッティング練習も、場所とか時間とかがよくかぶっていた」とコミュニケーションを取る機会が多かった。その中で近本にとって印象的だった言葉がある。「僕は僕のやり方を貫き通したらいいっていうのは言ってくれていた」。自分の考えやこだわりを持って黙々と練習するタイプの近本を肯定し、背中を押してくれる言葉だった。

 その言葉の意味は、7年間見てきた原口氏の姿からも感じていた。「練習したからいい、練習しないから悪いというわけでもないけど。しっかり考えて自分がいいと思うことをしっかり練習する。そういう姿勢を続けてたのはすごいなと思った」。原口氏自身が、いつも自分のやり方を貫き通していた。それもまた、近本の“道しるべ”となっていた。

 シーズンが終わってからも、近本は原口氏と会えば言葉を交わしてきた。「フミさんの思いだったり、心境っていうのを聞きながら。過去のこと、これからのことをいろいろ話してもらいました」。教えや思いを胸に、近本はこれからもグラウンドに立ち続ける。

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