阪神・伊原VS中日・金丸 外れ1位と初回入札1位の先発対決は球団3組目 今季2試合で0勝1敗、来季リベンジへ
伊原VS金丸が織りなす「新・宿命の対決」は来季に本番を迎える。24年度ドラフト1位で阪神が初回入札した中日の金丸夢斗投手(22)と、その外れ1位で入団した伊原陵人投手(25)は、ルーキーイヤーに先発で2度投げ合った。阪神のドラフト1位初回入札と外れ1位が、同じ試合で先発し投げ合ったのは3組目。来季こそライバルに投げ勝ちたい。
伊原VS金丸。阪神からそろって1位入札を受けた新人2人の1年目は、金丸の「優勢勝ち」で終わった。先発で投げ合った2試合で、金丸1勝0敗。伊原は0勝1敗だった。
阪神がドラフト1位で初回入札、外れ1位とも投手を指名したのは13組目(外れ外れ1位も含む)。両者がそろって同じ試合に先発したのは3組目だ。
初の直接対決、湯舟敏郎VS小池秀郎は、紆余(うよ)曲折を経て実現した。90年度に8球団競合でロッテが交渉権を得た小池は、入団を拒否し松下電器(現パナソニック)に入社。92年度1位で近鉄入りしたものの、当時は交流戦の導入前で阪神戦登板はなし。トレードで00年に中日へ移り、自身の外れ1位で阪神入りしていた湯舟と投げ合った。
初対戦は00年4月16日。外れ1位の湯舟が3安打完封勝利を飾った。小池は6回1失点と好投したが、打線の援護がなかった。再戦となった8月2日には、湯舟が4回、小池が3回を投げともに3失点。試合は阪神が勝ち、2人に勝敗はつかず痛み分けに終わった。
2組目は、そろって現役投手の組み合わせである。13年度ドラフト1位で阪神は、大瀬良大地に入札したが、当たりくじを引いたのは広島だった。外れ1位で柿田裕太投手の抽選でもDeNAに敗れた阪神は、外れ外れで岩貞を獲得した。
対戦はこれまで4度あり、岩貞の1勝3敗、大瀬良の3勝1敗である。岩貞は14年9月13日の初対決から3連敗。20年7月4日にようやく初星を挙げ、大瀬良に土をつけた。
岩貞は中継ぎに定着し、大瀬良との先発対決は遠のいている。また19年度ドラフト外れ1位の西純矢は野手へ転向し、初回入札だったヤクルト奥川恭伸との投げ合いはなくなった。阪神投手の「外れ1位-初回入札」先発対決は、来季も伊原VS金丸のみとなりそうだ。ともに大きな期待を背負う2人の戦いは、来季に佳境を迎える。
【伊原-金丸の先発対決VTR】
◆8月7日(バンテリン) 伊原はプロ最短タイとなる、4イニング降板の憂き目に遭った。初回に2死二塁からプロ初ボーク。二回はチェイビスにプロ初被弾となるソロを浴びた。一方の金丸はプロ10試合目の登板で初勝利。序盤は苦しんだが、六~八回は全て三者凡退と立て直しての初星だった。
◆9月28日(甲子園) 約1カ月ぶりの先発の伊原は6回1失点の好投を見せた。初回は不運な連打からの1点で切り抜けると、二回以降は二塁すら踏ませない完璧な投球。岩崎が救援に失敗し、白星は消えた。金丸は11安打されながら7回2失点と要所を締めた。
【救援登板も含めた阪神外れ1位と初回入札投手の投げ合い】
◆猪俣VS近藤 87年8月29日の阪神-中日戦(甲子園)で、阪神先発の猪俣隆(86年外れ1位)は7回3失点の好投。初回に大量7点の援護をもらい、白星を挙げた。一方の近藤真一(同年初回入札)は七回に5番手として登板し1イニング1失点だった。
◆野田VS川島 89年4月29日の阪神-広島戦(甲子園)で、広島先発の川島堅(87年初回入札)が、プロ唯一の勝利を完投で飾った。野田浩司(同年外れ1位)は七回から3番手としてマウンドに上がり、3回を無失点と好投した。
【阪神で活躍する外れ1位野手】
18年度の近本光司(大阪ガス)は外れ外れ1位で入団した。初回の藤原恭大(大阪桐蔭-ロッテ)2回目の辰己涼介(立命大-楽天)をいずれも抽選で外しての指名だった。近本は不動の1番・中堅手として2度の優勝をけん引。今オフ5年契約を結び、球団史上最高の総額25億円で残留を決めた。また22年度ドラフトでは森下翔太(中大)獲得に成功。初回は巨人とともに浅野翔吾(高松商)に入札しくじ引きで敗れたが、森下は3年連続2桁本塁打を放ち、今季はいずれもセ2位の23本塁打、89打点と、浅野を圧倒する活躍を見せている。
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