両手を広げて森下を抱きしめた阪神・藤川監督の親心 ナインとの肘タッチにも興奮度が表れる
「JERA CSセ・ファイナルS・第2戦、阪神5-3DeNA」(16日、甲子園球場)
同点で迎えた延長十回無死一塁から、阪神・森下翔太外野手がDeNA・佐々木の初球スライダーを捉え、左中間スタンドに自身初となるサヨナラ本塁打を運んだ。
本塁手前でヘルメットを放り投げ、笑顔のナインが待つホームに生還した森下。歓喜のウオーターシャワーで、髪やユニホームはビショビショになっていた。そしてその先に、さらに驚く光景が待っていた。
基本的に冷静沈着な姿勢を貫いてきた藤川監督が両手をVの字に広げて待ち構えており、森下は迷うことなく指揮官の胸に飛び込んだ。歓喜の抱擁。藤川監督の背中に手を回した森下の笑顔。それを温かく見守る佐藤輝の表情。劇的勝利の盛り上がりが伝わってくる瞬間だった。
整列してスタンドのファンに感謝を伝えた後、藤川監督は小走りで一塁ベンチ前に戻った。これまでは手のひらをパーに広げてハイタッチを交わすことが多かったが、この日は右腕を折り曲げての肘タッチ。こみ上げる歓喜が見る側にも伝わってきた。
藤川監督は監督会見で「チーム全体が本当に我慢強く戦いながら、チャンスを作りにいきましたけど、やっぱり最後、全国のタイガースファンも応援しているでしょうから、自分たちの計り知れないパワーが働きますね。森下、すごいですね。素晴らしいゲームでした」と語った。
1点を追った五回裏の攻撃前に47分間の中断を余儀なくされるなど、集中力を保つのが難しい試合展開にはなったが、佐藤輝が八回に起死回生の同点打を放ち、最後は森下がサヨナラ弾。強さ、結束力、興奮度合いがひしひしと伝わるゲームだった。
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