元阪神“伝説”助っ人・グリーンウェル氏死去、62歳 「神のお告げ」退団引退 大物メジャーリーガー鳴り物入りで97年加入
米大リーグ、レッドソックスで外野手として活躍し、阪神でもプレーしたマイク・グリーンウェルさんが死去した。9日、レッドソックスが発表した。62歳だった。球団によると、甲状腺がんで闘病していた。メジャー12年間で通算打率・303を記録し、97年に阪神加入。だが、5月10日・巨人戦で自打球を当て右足甲を骨折すると「神のお告げがあった」と発言し、7試合の出場で退団して現役引退。大きな話題となった助っ人だった。
阪神ファンのみならず、野球ファンの記憶に鮮烈な印象を残した助っ人だった。
グリーンウェルさんは、1985年にレッドソックスでメジャーデビュー。主に左翼手としてプレーし、通算1269試合に出場して1400安打を放ち、打率・303、130本塁打、726打点を記録した。オールスターにも2度出場した実績を持つ大物メジャーリーガーとして、鳴り物入りで1997年に阪神に加入した。
阪神は95、96年に2年連続最下位に沈んでおり、97年から吉田義男監督を招聘(しょうへい)した。暗黒時代の脱出へ向けて、グリーンウェルさんには当時の球団史上最高額となる約3億6000万円(推定)の年俸を用意。起爆剤として期待された。
しかし、97年2月の春季キャンプ中に、米国に残した所用を理由に一時帰国。2月末には再来日予定だった前日に腰と背中の痛みを訴え、米国に残るなど不可解な行動もあった。結局、再来日は開幕後の4月末。さらに5月10日・巨人戦では右足甲に自打球を受けて骨折してしまう。
すると、退団と現役引退を申し入れて、球団が14日に発表。「野球を辞めろという神のお告げがあった」という言葉を残した助っ人は、15日には帰国してしまった。阪神での出場はわずか7試合。26打数6安打、打率・231、0本塁打、5打点だった。
阪神では“お騒がせ助っ人”として名を残したが、2008年にレッドソックスの球団殿堂入りを果たしているように現地ではスター選手だった。引退後はフロリダ州リー郡で公職も務めていた。
レッドソックスは「私たちはマイク・グリーンウェルの逝去に深い悲しみを覚えています。『ゲイター』(グリーンウェルさんの愛称)は、そのキャリアの全てをレッドソックスのユニホームで過ごし、愛される存在でした」などと哀悼の意をつづった。
◇マイク・グリーンウェル 1963年7月18日生まれ。米国ケンタッキー州出身。1982年ドラフト3巡目でレッドソックスと契約。1985年にメジャーデビューを果たした。1988年から2年連続オールスター出場。97年は阪神でプレー。現役時代は183センチ、93キロ。右投げ左打ち。
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