阪神リリーバー「及岩石」 3人登板時はJFK超え驚異の勝率・955 独走V導いた“およがんせき”
虎のリリーフ3人衆「及岩石」が、JFKを超えた。阪神の及川雅貴(24)、岩崎優(34)、石井大智(28)の3投手がそろって登板した今季24試合で、チームは21勝1敗2分け、勝率・955と勝ちに勝ちまくった。2005年に登場し、球界に一時代を築いたジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之がそろい踏みした試合の勝率を軽々と上回った。史上最強の救援ユニットが、独走Vを導いた。
3人そろえばもう、こっちのものだった。優勝を決めた9月7日・広島戦は、集大成の舞台でもあった。阪神のリリーフ最強ユニット「及岩石」。七回及川、八回石井、そして九回を岩崎が、それぞれ0点でピシャリ。全員が難なく仕事をこなし、虎は余裕でゴールのテープを切った。3投手そろって登板した試合でチームは、21勝1敗2分け、勝率・955という驚異的な数字をたたき出した。
かつて球界を席巻した、伝説の救援トリオ、ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の「JFK」をもはるかにしのぐ勢いだ。岡田彰布監督が「この3人で、すごいことやったる」という意気に感じ、JFKは投げに投げた。
当時の3人がそろって投げた試合は2005年以降132試合あり、107勝16敗9分けで勝率・870。
2005年・867=49試合39勝6敗4分け
2006年・750=12試合9勝3敗
2007年・894=51試合42勝5敗4分け
2008年・895=20試合17勝2敗1分け
今季の及岩石は、その上を行っていた。
特に及川と石井は、歴史に名を刻む中継ぎコンビとなる可能性が高い。救援登板50試合以上で防御率0点台は、NPB史上のべ17人しかいない。16日現在、及川は61試合で0・93、そして石井は51試合で0・18。同じ年に同一チームから複数が満たしたのは、これまで2011年中日の浅尾拓也0・41、小林正人0・87の一度だけ。虎の2人が続きそうだ。
阪神のチーム救援防御率は16日現在、1・98と無類の安定感を誇っている。1956年1・63以来、球団では69年ぶりの1点台となる可能性を残す。JFKに始まる球界のリリーフ大国を、3人が見事に引き継いだ。静かに、そして確実に。「及岩石」は、歴史を塗り替えていく。(デイリースポーツ・高野勲)
◆阪神・及川「へー、3人が投げた時はそうなんですね。何なんですか?“及岩石”って(笑)。中継ぎに限らず、先発ピッチャーが長いイニングを投げてくれて、いい流れで回ってくることが多かったので、先発ピッチャーのおかげというのもあると思います。僕は(JFKが投げていた)当時を知らないので、何が違うか分からないですけど。(60試合登板は)1年だけでなく、2、3年と続けられるようにやっていければ」
◆球界の主な3人ユニット 阪神では2005年に、JFKへつなぐ中継ぎ陣「SHE」(桟原将司、橋本健太郎、江草仁貴)が活躍。他球団では、ソフトバンクの「SBM」(摂津正、ブライアン・ファルケンボーグ、馬原孝浩)、巨人の「スコット鉄太朗」(スコット・マシソン、山口鉄也、西村健太朗)などの救援陣が知られる。打線では、西武の「AKD砲」(秋山幸二、清原和博、デストラーデ)が黄金時代を築いた。
関連ニュース





