阪神・藤川球児監督 CS不要論に待った「絶対やらなきゃ」 ファンが喜び感動する機会「消してどうするんですか」
阪神・藤川球児監督(45)が12日、クライマックスシリーズ(CS)賛成の立場を明らかにした。7日にNPB史上最速のリーグ優勝を決め、2位・巨人と16ゲーム差。2位以下のチームが勝率5割以下のため、CS不要論やアドバンテージ改革案が飛び交う中、指揮官は「ファンの方が一番喜べる機会をつくるのは大事」と持論を展開した。ポストシーズンでも虎の強さを見せつけ、2年ぶりの日本一奪還を狙う。
ファンが熱く燃えるポストシーズンにこそ、プロ野球の醍醐味(だいごみ)が詰まっている。現役時代の火の玉ストレートさながら、藤川監督が真っすぐな言葉で、CS賛成の立場を明らかにした。
「僕は、プレーオフはやるべきだと思っています。面白いじゃないですか。絶対にやった方がいいと思っている。ファンの方が一番喜べる瞬間、機会をつくり出すというのがめちゃくちゃ大事。やらなきゃいけない」
虎の独走VでCSの意義が問われる中、藤川監督が一石を投じた形だ。就任1年目は新人監督とは思えないマネジメント能力を発揮して、7日にNPB史上最速リーグVを決めた。現在2位・巨人と16ゲーム差。現状のルールでは1位チームには1勝が与えられ、3勝すれば日本シリーズに進出できる。ただ、阪神以外の5チームは勝率5割以下に沈んでおり、世間ではCS不要論やアドバンテージ改革案が飛び交う。それでも指揮官は声を大にしてポストシーズンの意義を強調する。
「なくしてしまったら何もなくなってしまう。周りの人を感動させ、気持ちが動くようなゲームができるものを消してどうするんですか」
現役時代はCSに5度出場。ファンの心を打ったのは2008年の中日とのファーストS(京セラ)だ。ウッズに決勝弾を浴びて敗退が決まると、同年限りでの退任を発表していた岡田監督から「なあ、球児。おまえで終われて良かったよ」と伝えられた。2人が抱き合い、大粒の涙がほおを伝うシーンは虎党の感動を呼んだ。
胴上げ後の優勝インタビューで藤川監督が「CSは別のステージ」と語ったように、レギュラーシーズンと明確な線引きがある。「ペナントを奪うレースは終わった。それはうちですから」とチャンピオンの立場を強調しつつ、「アドバンテージが付いていることで、結局1、2、3位を付けようとしている。アドバンテージがない方が別の戦いじゃないですか」とまで踏み込んだ。
ポストシーズンへ闘志はたぎっている。阿部監督の「CSでやり返す」というコメントを受け、「さすがだな。メディアを通してスイッチを入れてくれる。だからやっぱり面白い」とニンマリ。2年ぶり日本一へ、ファイナルSの相手がどこであろうと、王者として堂々と迎え撃つだけだ。
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