【谷佳知氏の眼】阪神はCSファイナルSまで1カ月以上 高寺、木浪らはもっと貪欲な姿勢がほしい 控え層が新たな活力を

 「阪神2-0DeNA」(11日、甲子園球場)

 阪神が7日の優勝決定後は初勝利を飾り、同一カード3連敗を阻止した。四回に森下が先制の21号2ランを放つと、先発の大竹は23年7月5日の広島戦以来の完封で8勝目を挙げた。チームとしては球団史上歴代3位となるシーズン27度目の完封勝利。今季最短となる2時間16分でDeNA打線をシャットアウトした。デイリースポーツ評論家の谷佳知氏は「控え層がチームに新たな活力を与えるような1カ月にしてほしい」と指摘した。

  ◇  ◇

 史上最速でリーグ優勝を決めた後、10日は中野がスタメンを、坂本がベンチ入りを外れ、この試合は大山が出場機会なく終えた。首脳陣からすれば、CSファイナルSまで1カ月以上ある中でいったんスイッチを切って、適度に休養を取りながらいこう、ということだと思う。目先の勝利に執着する必要がないのだから、当然の判断だ。

 ただ、野手のコンディションというのは難しいところがある。

 休まずにずっと出ていた方が状態がいいという人も中にはいる。こればかりは本当に個人差がある。特に今年は独走で、張り詰めた緊張感の中での優勝争いをしていない。ここからどう調整して、CSファイナルSに入っていくのかというのは、正解がない問題を解くようなもので、本当に難しさがあると思う。

 ただそれは主力選手の話で、レフト、ショートの定位置を争う高寺、木浪らは立場が違う。

 この試合ではともに無安打に終わったが、もっと貪欲に自分の長所をアピールしていく姿勢がほしい。控え層がチームに新たな活力を与えるような1カ月にしてもらいたい。

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