阪神ドラ2・今朝丸“デッカい男”へ成長中 大目標200勝へ体作りに重点「米600グラム毎日食べています」

 阪神2軍の注目選手を取り上げる企画「飛び出せ大物」。第7回はドラフト2位・今朝丸裕喜投手(19)=報徳学園=を取り上げる。高卒1年目ながらここまで2軍で8試合に登板して4勝0敗、防御率2・17と結果を残している。将来の目標は通算200勝。阪神では村山実しか達成していない大記録を目指す右腕の現在地に迫る。

 長身から投げ下ろす速球で、相手打者を翻弄(ほんろう)する。今朝丸がファームで躍動を続けている。

 6月29日のウエスタン・中日戦(SGL)では11奪三振をマーク。見た目の球速以上に球威を感じる直球や、縦に大きく落ちるフォーク、さらには曲がり幅の大きなスライダー。投げているボールには高い可能性を感じさせる。

 そういった中でも、プロ入り後に大きな武器となっているのが“真っスラ”だ。具志川キャンプでの投げ込みの際に映像を確認。回転を見て、独特の軌道に気づいた。

 シート打撃で登板した際にはチームメートから「めっちゃ嫌」と評されたという。直球がスライダー気味の軌道で動くため、打者のタイミングをずらしやすい。右打者なら芯を外し、バットの先で引っかけたゴロや、ファウルになる確率が上がる。「高校の時は(真っスラ)していなかった。プロになって手に入れたので有効に使っています」と手応えをにじませた。

 投球に関しては、プロ入りして、意識も変わったという。「追い込んだ時に、決め球を絶対に決めないと簡単にヒットを打たれる実感があります」。高校時代とは打者のレベルも攻め方も変わった。下位打線でも全く油断できないプロのマウンド。緊張感が今朝丸をさらに強くしている。

 技術面以外の課題としては、高卒1年目ということもあり、プロ野球選手としてはまだ線が細い。そのため、今季の目標に“体作り”を掲げている。現在は188センチ、77キロ。入寮時には「体をただ大きくするんじゃなくて、野球の技術もしっかりレベルアップしていきたい」と決意表明し、増量に励んできた。

 「どんぶり一杯に、(米)600グラムを毎日食べています」と、体重が増えにくい今朝丸にとっては一苦労で、今後は暑さで食欲も落ちる夏本番を迎える。「キープして、冬にまた増やす計画にしています」と最終目標の90キロを今年中に達成する算段だ。

 大きな目標がある。「今はうまいこと抑えられていますが、登板を重ねるごとにデータを取られる。それを上回る投球ができないと目標にしている200勝は無理なのかなと思います」。阪神では村山実しか達成していない通算200勝。強い意志で偉大な記録を目指す。

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