昨季まで阪神の投手コーチを務めた福原忍氏（４８）と、グラウンドに足しげく通う狩野恵輔氏（４２）のデイリースポーツ評論家２人による新企画「注目の若虎」。第４回は福原氏が富田蓮投手（２３）を取り上げる。

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　富田投手には昨年まで、２軍で指導に携わらせてもらいましたが、良さというのはコントロールですよね。変化球でもカウントを取れますし、しっかりとストライクゾーンに投げられる。マウンドで物おじしないところもいいですね。

　フォームを見ても悪くないですし、どこかを直したということもなかったです。総合力で抑えるタイプですが、ただ、先発にしてもリリーフをやるにしても、総合力で抑えますということが武器になっていては、もったいない。もう少し、何か特筆したものが欲しいなと。相手バッターが富田投手を相手にした時に何を怖がってくれるのか。そこを植え付けられれば、より良くなるのかなと思います。

　例えば、真っすぐの強さというのも一つですね。ボールの強さ、ベース盤での強さと言いますか、球速ではなく、バッターを差し込めるようなキレの部分ですね。そこを意識させることができて、ファウルを取れることができれば、チェンジアップなども生きてきますし、ピッチング自体も変わってくるのかなと。

　あとは、決め球で何か特徴のあるボールがあってもいいのかなと。スライダー系のピッチャーということもありますし、個人的には、中日で活躍された山本昌さんが投げられていたスクリューみたいなボールが投げられたら面白いかなと思います。右バッターの外に逃げていくようなイメージのボールですね。

　フォークをより磨くというのもいいかもしれないですが、今はフォークを投げるピッチャーも多いですし、より特徴を出すという意味でも、スクリューみたいなボールがいいかなと。なかなか、シーズン中に新しい球種を覚えるのは難しいことではありますが、２軍にいる時に、球種以外でもいろいろとチャレンジしてもいいのかなと。もちろん、本人の中でトライしていることはあるかもしれないですが、いいものを持っている投手だけに、さらに上を目指してやってもらいたいと思います。