阪神首位堅持 4盗塁で隅田攻略 鉄壁投手陣八回まさか暗転も藤川監督「こういう日ももちろんある」桐敷責めず

 「西武4-2阪神」(10日、ベルーナドーム)

 魔の八回となった。阪神は今季勝率・704と無類の強さを誇っていたビジターで逆転負けを喫し、連勝が4でストップした。7カードぶりにカード初戦を落とす形となったが、藤川球児監督(44)は敗戦投手となった桐敷を責めることなく前を向いた。長いシーズン、こういう日もある。交流戦も首位のままで、切り替えて次戦に挑むだけだ。

 右翼席に陣取る所沢の虎党が静まり返った。ジメッと湿度の高いベルーナドームでまさかの逆転負け。7カードぶりの初戦黒星で、連勝は4でストップ。試合後の藤川監督は「西武もホームに戻ってきて、終盤(八回)のたたみかけを止められなかった感じがしますね」と穏やかに振り返った。

 2-0の八回に落とし穴が待っていた。3番手・桐敷は西川、滝沢の連打などで1死一、二塁のピンチを背負う。4番・ネビンを追い込みながら、決め球のフォークを右翼線へ運ばれ適時二塁打とされると、1死満塁から源田に左前へ同点打を献上。さらに山村には一、二塁間を破られ、勝ち越しを許してしまった。

 「ネビン選手のところで(フォークを)落としきれなかったところが反省。あそこから最少失点でいきたかったですけど、それができなかったので、切り替えてやり返せるように頑張りたい」

 今季初黒星を喫した桐敷は唇をかみつつ必死に前を向いた。ただ4月15日・ヤクルト戦(松山)以来、16試合ぶり失点の左腕は責められない。

 「タイトなゲームですからね。こういう日ももちろんある。明日にいくという。それだけです」

 藤川監督も左腕の背中を押した。この夜は、疲労を考慮して湯浅が2試合連続でベンチ入りメンバー外。セットアッパー・石井も不在の中、継投の難しさを問われると「ベンチ入りのメンバーでやっていますから」と淡々と受け止めた。

 悔しい敗戦だが、阪神らしさは随所に光った。二回には熊谷の先制打、三回にはヘルナンデスの右中間を破る適時二塁打が飛び出した。四回までで今季最多タイ1試合4盗塁をマークし、防御率1点台の隅田を足で揺さぶった。だが中盤以降、追加点を奪えず、九回は平良の前に3者連続三振に倒れた。

 「展開はね、持ってこられる時もあるし、そうでない時もあるんですけど、相手ももちろん勝ちたいというところでは、八回の集中打でやられてしまったので、明日はまた違う展開にしなければというところですね」

 藤川監督は気持ちを整理するように、顔を上げた。まさかの大暗転も交流戦首位は変わらない。所沢の大歓声に応え、若獅子に再び襲いかかる。

 ◆阪神、今季の盗塁数 阪神が10日の西武戦で4盗塁(近本2、佐藤輝、熊谷)。5月3日のヤクルト戦に並ぶ今季2度目の1試合4盗塁を決めた。この日までチームの盗塁数は49。セ・リーグでは中日35、DeNA30、巨人27、広島25、ヤクルト18で、他の5球団を大きく引き離している。すでに昨季のチーム盗塁数(41)を早々と超え、110盗塁をマークした22年以来となる、チーム年間100盗塁以上へ着実に数字を積み上げている。

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