「巨人６－４阪神」（７日、東京ドーム）

　連勝ストップも、虎の３番の勢いは止まらない。阪神・森下翔太外野手（２４）が４点を追った五回、自己最長タイとなる４試合連発の６号２ランを放ち、巨人・山崎に今季初の自責点を付けた。巨人３連戦の３試合連発は、球団では２００３年のアリアス以来２２年ぶりの快挙。チームは東京ドーム初黒星で開幕からの連勝記録が５で止まり、巨人に再び同率首位に並ばれたが、好調の３番の存在が何とも頼もしい。

　想像のはるか上をいくのが森下だ。こよいも白球が左翼席に吸い込まれた。敗戦の中でも強烈なインパクトを残した一発。東京ドームにはどよめきと歓声がこだました。

　「点差もあったので、とにかく後ろにつなぐという意識でした。打席の中でボール球もしっかり見極めて我慢できていましたし、いい打席だったと思います」

　４点を勝ち越された直後の五回１死一塁。重苦しい空気を一振りで変えた。「３ボールだったので（投手は）フォアボールを出したくないですけど、際どいボールは来るかなっていう予測はしていました」。フルカウントからの８球目、山崎の真ん中に来た１５１キロ直球を強振した。打球はあっという間に左翼席中段へ。驚異の４戦連発となる今季６号２ランで２点差に追い上げた。

　難敵だっただけに、より価値のある一発だ。山崎は試合前まで開幕から３５イニング連続無失点を継続。森下の一発が今季初被弾だった。伝統の一戦で示した存在感。テレビ解説で訪れていた巨人のレジェンド・松井秀喜氏も「甘い球でしたけどね、ちゃんと捉えている」とたたえたほど。球団では２００３年のアリアス以来となる、巨人戦３連戦での３試合連続本塁打。自身２年連続の４試合連続本塁打にもなったが「結果なので。結果は別に準備をしてれば伴ってくるものなので特に意識はしていないです」と淡々と話した。

　１点を追う三回無死一塁では山崎から左中間への二塁打を記録していた中、最後は悔しさが残った。２点を追った七回。１死一、二塁と一発出れば逆転の場面で打席へ。球場のボルテージも一段と高まる中、代わったばかりの田中瑛と対峙（たいじ）。しかし、２球連続で来たシュート系を打ち損じて遊撃への併殺打。「反省もくそもないです。打てなかっただけです」と唇をかんだ。

　それでも１本塁打を含む２安打２打点の活躍。チームの開幕からの東京ドーム連勝記録は５で止まったが、森下の勢いはとどまることを知らない。ただ、「状態がいいってわけじゃなくて、修正ができているだけ。１４３試合ある中で調子がいい、悪いで済ませていたら調子が悪い時に落ちる一方なので」と浮かれる様子はない。オフを挟んで甲子園に戻り、バットで再び連勝街道を導く。

　◆森下、１５年ぶりの２年連続４戦連発　森下が五回に４日のヤクルト戦から４試合連続となる第６号２ラン。昨年９月に続く２年連続での４戦連発となった。球団ではブラゼルが２００９年（４試合連続）、１０年（５試合連続）に達成して以来、１５年ぶり。また、日本選手としては０４、０５年（ともに４試合連続）の金本知憲以来。さらに巨人３連戦で３試合連続本塁打は、０３年４月１１日から１３日までの３連戦（東京ドーム）で３ホーマーを放ったアリアス以来、２２年ぶり。