阪神・ドラ5佐野 大物の予感 プロ初出場の初打席初球を同点2点打「すごい歓声」大興奮 三塁憤死も「ナイストライ」
「教育リーグ、阪神5-5広島」(1日、日鉄鋼板SGLスタジアム)
阪神ドラフト5位の佐野大陽内野手(23)=日本海L富山=が1日、2軍新球場「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」で行われた教育リーグ・広島戦で“プロ初出場”。七回の初打席で初球を捉えて同点の2点適時二塁打を放った。初づくしとなったルーキーのプレーが、スタンドを埋めた虎党を大きく沸かせた。
この日一番の大歓声を巻き起こした。3点を追う七回、1点を返し、なおも1死二、三塁の好機。「ある程度(狙い球を)絞って打席に立ちました」と初球をスイング。快音を残した打球は、中越えの2点適時二塁打。一気に三塁を狙ってアウトになり、スタンドからは一瞬ため息も漏れたが、ルーキーのフレッシュな姿に、すぐに大きな拍手に変わった。
満員の大歓声をかみしめた。「こんな多くの観客がいる中で試合をしたことがないので、自分が打った瞬間はすごい歓声だった」と大興奮。三塁でアウトになった場面について「自分の足をもうちょっと考えます」と照れくさそうに笑ったが、平田2軍監督は「沸いたねえ。ああいうトライは次に生きてくる。ナイストライ」と積極的な姿勢を評価した。
九回2死から四球も選び、試合後には活躍した選手がマイクパフォーマンスを見せる2軍の恒例行事に選ばれた。「皆さんに勝利を届けられるように頑張ります」。新球場初戦でインパクトを残し、ファンへ最高のあいさつとなった。
キャンプでの取り組みがつながっている。打撃練習の中で、なかなか納得のいく打球が飛ばせていなかった佐野は、梵2軍打撃コーチにアドバイスを求めた。そこでやったのが、自らでノックを打つ練習。打球にきれいな回転をかけることが目的で、やり始めてから「違った打球も出だした」と変化を感じていた。
2月24日の社会人チームとの練習試合では効果もあり3安打の活躍。「引き出しの多い方に指導していただいて、毎日発見です」と感謝。「自分の感覚で落としこんで、ようやく形になってきた」と手応えを口にした。
この日は本職の遊撃ではなく三塁で出場。ただ、試合後には室内で二遊間の練習に励むなど大忙し。「開幕1軍が直近の目標。メンバーに入れるように一球一球アピールするだけ」。内野ならどこでも守れるユーティリティー性と積極的な打撃を武器に、早期1軍昇格を目指していく。
◇佐野 大陽(さの・たいよう)2002年2月14日生まれ、23歳。静岡県出身。178センチ、81キロ。右投げ右打ち。内野手。常葉大橘高、中部大、日本海L富山を経て24年度ドラフトで阪神から5位指名。柔らかいグラブさばきで堅実な守備が持ち味。打撃も広角に打ち分ける器用さがある。
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