阪神 右翼・佐藤輝レーザービーム&一塁・前川軽快グラブさばき 藤川監督「可能性ある」複数ポジション制本格スタート

 「阪神春季キャンプ」(20日、宜野座)

 阪神は20日、今キャンプ初の「シャッフルノック」を行い、佐藤輝明内野手(24)が右翼、前川右京外野手(21)が一塁をそれぞれ守った。長いシーズンを見据えた危機管理の意味合いが強いが、藤川球児監督(44)は「可能性があるということ」とシーズン中の起用に含みを持たせた。指揮官が掲げる複数ポジション制が本格的に始動した。

 宜野座のグラウンドに珍しい光景が広がった。右翼・佐藤輝がレーザービームで捕手のミットに突き刺せば、前川は新調したファーストミットで軽快なグラブさばきを披露。キャンプ第5クール初日に、「球児スペシャル」がお披露目された。

 「可能性があるということですね。いろんな景色が見えてくるので。シーズンは長いですからね。準備をしていくという意味では、佐藤(輝)にしても、ライトですごくアグレッシブに動いていたし、チャージをしっかり仕掛けたりとか」

 今キャンプ初の「シャッフルノック」を見守った藤川監督は満足げだ。オープン戦中でのテストは「どうでしょうかね」と話すにとどめたが、「一歩ずつですから、一つずつやるべきことを考えて、プランの中でやっています」。キャンプ前から複数ポジション制を掲げており、シーズン中の実現へ前進した形だ。

 藤本総合コーチが「0・1%かもしれないし、0・01%かもしれない。でも可能性があるんやったら準備させとこう」と強調するように、長いシーズンを見据えた「危機管理」の意味合いが強い。それでも昨季の前半戦は佐藤輝、大山、森下が不調などにより相次いで2軍降格。今季も何が起こるか分からない。万が一の事態にも備え、新指揮官の選択肢が広がると同時に、打線のバリエーションも増えそうだ。

 2人も複数ポジションに前向きに取り組んだ。佐藤輝にとって右翼はプロ入りから3年間守ったポジション。序盤には三塁への返球がそれる場面もあったが、「いい感じです。久々なりにはできたんじゃないか。楽しかったです」とにっこり。年明けから送球練習を重ねてきた成果をさっそく示し、手応えを深めた。

 前川も1月の自主トレから内野ノックを受けてきたという。「打球も速いので大変」。高1秋以来の一塁守備に戸惑いつつ、「チャンスをいただけたんで、経験できて良かった」とうなずいた。

 本職へのこだわりも強くなったようだ。佐藤輝が「まずはしっかりサードを守れるようになって、というところですね」と言えば、前川も「やっぱレフトでちゃんとやらないといけないと思っている」ときっぱり。“球児スペシャル”によって、虎は着実に前進している。

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