阪神・ドラ1伊原 ホロ苦のち収穫の初ライブBP 被弾も制球力に指揮官納得 24日・実戦デビューへ
「阪神春季キャンプ」(18日、宜野座)
阪神のドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=が18日、初めてライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板した。井坪、高寺を相手に全球種を織り交ぜて25球。安打性の打球は5本、最速143キロながら持ち味の内角攻めで藤川球児監督(44)も納得する制球の良さを披露した。24日にはDeNAとの練習試合(宜野座)で実戦初登板の予定。課題と収穫を得た“プロ初登板”となった。
球が線を引くようにミットに吸い込まれコースに刺さる。初めてライブBPに登板した伊原が、井坪と高寺を相手に最速143キロの直球、カット、スライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップを駆使。全球種を織り交ぜて安打性5本とし、収穫と課題を得た。
「コースに投げることに関しては、真ん中に寄らず最初の段階としては良かった。直球の強さはまだまだ足りていない。変化球の精度はもう少し必要になると思います」
緊張を顔に出さず堂々と腕を振った。1巡目の井坪には初球の直球を中堅フェンス付近まで飛ばされたが、伊原らしい強気な投球で内角を攻めた。続く高寺には初球のスライダーで空振りを奪うと、2巡目もカットボールで空振りに斬った。両サイドのコースを突いた球使いで打者を翻弄(ほんろう)した。
3巡目の井坪には3球目の直球を左翼スタンドへ運ばれたが、「後から知った。投げてすぐボールをもらうので、打った打球は全然見てなくて。あんまり気にしなかったですね」と鉄のハートぶりも見せた。
投球後は梅野と約10分間会話。「打者のスイング軌道、どういうところに変化球を投げていくか。今後、試合に進んでいく中での課題、どういうふうに意図を持って投げるか」と何度もうなずきながら話し込み、短い時間の中で学びを得た。
梅野はブルペンでボールを受けたこともあり、「力だけで押す投手じゃないんで、いろんなことを考えながらやっていけたら」と改めて投球スタイルを確認。伊原自身も練習から細かく全てのコースを意識することで「新しい打者の反応も見られる」と、持ち味である制球力に磨きをかけていく考えだ。
藤川監督とは降板後にグータッチ。見守った指揮官は「ホッとしてます」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。「いいコントロール。本人から少し課題が出たというのも聞けたので、投手コーチとまた進めながら、コンディションが回復してやっていけたらと思う」とうなずいた。
「走者を出してもかえさなければいい。とにかく0に抑えるところだけが一番結果につながる」と伊原。実戦初登板となる24日の練習試合・DeNA戦に向け、さらに状態を上げていく。
◆ヤクルト・松井スコアラー「ちゃんと右打者のインローとかにスライダーを投げていた。コントロールもしっかりできていた。ローテーションに入ってくると面白いと思いますよ」
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