阪神・石井 侍ジャパン初選出「吸収したい」トップ選手との交流心待ち 高専出身選手初、26年WBC切符もつかむ
阪神の石井大智投手(27)、大山悠輔内野手(30)、佐藤輝明内野手(25)が14日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本対オランダ」(3月5、6日・京セラドーム大阪)に臨む日本代表「侍ジャパン」のメンバーに選出された。石井はアマ時代も含めて自身初選出。高専(秋田工高専)出身選手としても初の代表入りとなった。強化試合やレギュラーシーズンで結果を残し、26年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のメンバー入りへ意気込んだ。
初めて背負う日の丸に自然と背筋が伸びた。胸の高鳴りを感じながらも、石井らしく謙虚に、気を引き締めて決意を語った。
「もちろん楽しみですけど、今回選ばれる中では本当に(序列が)一番下だと思う。吸収したい気持ちがすごくありますし、それを25年シーズンの1軍の試合で発揮できるようにしたい」
秋田工高専から独立リーグを経てドラフト8位で阪神入り。プロ1年目から中継ぎとして登板し、23年には防御率1・35でリーグ優勝と日本一に貢献。昨季は自己最多の56試合に登板し、防御率1・48、30ホールドと着実に成長してきた。自身初、高専出身選手としても初選出となった状況にも浮足立つことはない。
心待ちにするのは他球団のトップ選手たちとの交流だ。「個人個人で質の高いボールは違うと思いますし、自分の投げている球種の中でプラスになる球種を持っている方がいれば、どういう意識で投げているかと聞いてみたい」と貪欲に学ぶ。
自身のアピールポイントは、全体的なバランスやコントロールで抑える投球。一方で、井端監督は「体は決して大きくないが、勢いある球とマウンド度胸、特に一発勝負に関してはそういう気持ちが大事」と評価。「レギュラーシーズン同様にやってくれれば。とにかく伸びのある直球を投げ込んでほしい」と期待は大きい。
強化試合とはいえ、26年WBCにつながる大事な機会になる。石井にとっても憧れの舞台だ。忘れられないのが09年第2回大会の韓国との決勝。大会を通じて不調だったイチローが、延長十回に中前へ2点適時打を放った。石井は「勝負強さというか、ああいう舞台でプレーができるのは本当に一握り、超一流」と目を輝かせる。
自身もそのマウンドに立つことを夢見る。「今回の試合も25年シーズンも、WBCに選ばれるためにすごく大事だと思う。自分の力をしっかり出せるように」。結果を出し続けて、26年の日の丸もつかみ取りたい。
藤川監督からは「いい勉強になると思うから頑張ってこい」と背中を押された。独立リーグ時代から見守ってくれている愛妻からは「本当におめでとう」と祝福された。「プラスになる経験しかないと思う。その経験を生かして25年シーズンも、もちろんずっと1軍で投げたい」。多くのことを吸収し、右腕がさらなる飛躍を遂げる。
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