阪神・佐藤輝は「日本で一番の打者」サンズ“師匠”からラストメッセージ キャンプ滞在終了、恩返し誓った

 「阪神春季キャンプ」(13日、宜野座)

 阪神の佐藤輝明内野手(25)が臨時コーチを務めたジェリー・サンズ氏(37)に、シーズンで恩返しの活躍を誓った。同氏の春季キャンプ滞在が終了。既に昨季限りで駐米スカウトを退任し、選手、スタッフとして尽力した助っ人が、この日で球団を離れることになった。「彼は日本で一番の打者だと思っているよ」。愛のあるラストメッセージに期待と確信の思いを込め、今季の40本塁打にも太鼓判を押した。

 打撃練習を終えた佐藤輝が、ケージ裏のサンズ氏に近寄っていく。打球音響くグラウンドで白熱する野球談議。キャンプ初日から2週間、見慣れた光景になった。深まっていった師弟関係。この日限りでチームを去る男が、未完の大砲にラストメッセージを送った。

 「彼はすごく才能がある選手。日本で一番の打者だと思っている」。会話は通訳を介しながらでも、言葉の距離は背中に添える手で埋めた。繰り返し伝えたのは安定して成績を残す方法。技術的には「投手に対してのアプローチ」の仕方だった。ここ数年の姿を見た上で同氏の考えを伝えた。

 「配球に対処する時に大きな変化を付けすぎて、結果が出ず苦しい時間を過ごすこともあった。年齢を重ねて経験を経て少しずつ理解している。自分の確固たるアプローチがあれば、安定した成績を残すことができる」

 9日の紅白戦。第1打席で近大の先輩・畠から、右翼に推定120メートルの特大弾を放った。この日の屋外フリー打撃でも、51スイングで11本の柵越えを記録。バックスクリーン直撃の打球や、左中間フェンスを越える特大飛球もあった。「球場は90度ある」とコースに逆らわず、広角に打球を運ぶ意識を徹底する春。練習には手応えが残った。

 選手としてルーキー時代から佐藤輝を知る同氏も、「この数年間ですごく学んでいる」と変化を感じた。昨季は120試合の出場で打率・268、16本塁打、70打点。周囲に不振と思われる中での数字に「彼にはそれくらいの能力があるということだ」とし、40本塁打にも「安定した成績を残せば本当にできると思うよ」と太鼓判を押した。

 この日で同氏の臨時コーチ期間が終了。既に昨季限りで駐米スカウトを退任し、この日で正式に球団を離れることになった。別れを惜しむ佐藤輝は恩返しを誓う。「いいスイングができていると思う。色々教えてもらったので、しっかりとやっていきたいです」。新生・阪神で3番を担う男の決意表明。「日本一の打者」が覚醒の時を迎える。

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