阪神・ドラ2今朝丸“藤浪級オーラ”見せた!初ブルペン20球 平田2軍監督「雰囲気があった」
阪神・淡路大震災から30年となった17日、阪神・粟井一夫球団社長、平田勝男2軍監督ら首脳陣、選手、職員約60人が、練習前に鳴尾浜球場で黙とうをささげた。神戸市東灘区出身のドラフト2位・今朝丸裕喜投手(18)=報徳学園=はまだ生まれていなかったが、両親や学校の授業を通して震災について学んできた。地元球団でプレーする自覚を口にするとともに、次世代に継承していくことを誓った。今年初のブルペン投球では20球を投げ“藤浪級オーラ”で首脳陣を驚かせた。
午前9時57分。鳴尾浜に球団半旗が掲げられる中、今朝丸は静かに目を閉じた。阪神・淡路大震災から節目の30年。まだあどけなさが残る18歳は、「1・17」への思いを懸命に言葉に変えた。
「震災当時の話は先生や親から聞いたことがあります。震災自体は防ぎようがないですが、知ってるのと知らないのとでは対策などのやり方も変わってくると思うので、自分が聞いたことをしっかり次の世代につないでいきたいと思います」
1995年1月17日、地元・神戸市東灘区は甚大な被害に見舞われた。「道が通れないというか、そういう状況だったので、ホントに怖いなっていう印象があります」。2006年生まれ。震災を知らない世代だが、両親の話や学校の授業を通して、当時の悲惨な状況を伝え聞いてきた。高校は報徳学園へ進み、ドラフト2位で阪神入団。運命に導かれるように、地元でプレーし続ける意味も感じている。
特別な1日にベールも脱いだ。気温7度。キャッチボールで体を温めると、冷気を切り裂きブルペンへ走った。ドラフト4位・町田(BC埼玉)を相手に、直球のみ立ち投げで20球。今年初となる投球の手応えは上々だ。
「まずはきちんとしたフォームで投げるところをテーマに挙げて投げました。感覚も、しっかりいい回転で投げられた。すごい良かった」
「8割ぐらい」の力感ながら、底知れぬポテンシャルに首脳陣は驚きの表情だ。見守った平田2軍監督は「オーラがあるな」と思わず片山ブルペンコーチ兼ブルペン捕手と顔を見合わせた。2人がそろってイメージしていたのは、あの剛腕だ。
「藤浪晋太郎。オーラ、雰囲気があったよね。これ大事なことやねん。晋太郎はでかかったし、距離もすごく近く感じた。今朝丸もでかいよな」
2人の共通項は、関西出身、長身右腕というだけではない。強心臓ぶりも藤浪をほうふつとさせる。ブルペンには首脳陣はじめ、大勢の球団スタッフが集結。独特の緊張感に包まれたが、今朝丸本人はどこ吹く風だ。
「やりにくさは感じない。むしろ力が入るというか、いい形で投げられるという気持ちがある」
聖地の申し子と呼ばれた藤浪のように、今朝丸も大観衆の前で臆することはなさそうだ。「1・17」に、力強くプロの第一歩を踏み出した。
関連ニュース




