阪神 「感動するレベル」だった森下翔太のスーパー送球 「大山さんの胸めがけて」岡田監督の教え&基本を怠らなかったワンプレー
「阪神7-2DeNA」(10日、甲子園球場)
DeNAに行きかけた流れを完全に止めたワンプレーだった。阪神の森下翔太外野手が見せた鮮やかなバックホーム。捕手の梅野が「感動するレベル」と語ったほど、勝敗を分けたシーンだ。
難敵の東をKOし、リードを3点に広げて迎えた七回。石井が連打で無死二、三塁のピンチを招いた。1点でも返されれば、再び相手打線は息を吹き返してくる。宮崎の打球は右翼のほぼ定位置付近に上がった。森下はタイミングを計って後ろからキャッチすると、しっかりとステップを踏んでスロー。「とにかく大山さんの胸をめがけて」。ボールは低い軌道で大山のもとへ伸びていった。
この送球を見た大山はスルー。するとボールはワンバウンドのストライク送球で梅野のミットに収まった。三塁から突っ込んでくるオースティンを見事にタッチアウトにし、場面は2死三塁へ。次打者を石井がしっかりと打ち取り、無失点でピンチを脱した。
状況的には2点を覚悟しなければいけない場面。だがスコアボードにゼロを刻めたことで、試合の流れは完全に阪神へと傾いた。岡田監督も「大きかった」と絶賛したワンプレー。ひもといていくと、昨年から徹底されてきた岡田野球がさらにレベルアップしてきたことがわかる。
岡田監督の就任当初から、外野手はとにかくカットマンに強いボールを投げるよう指示してきた。バックホームする間に次の走者の進塁を許さないことが大きな狙いだった。それと同時にカットマンを務める内野手は必ず外野手とホームのライン上に入る。少年野球から基本として教えられることだが、森下のコメントを見ればカットマンに入った大山はきっちりと送球線上にいたことになる。
そしてボールの強さを見てスルーし、オースティンはタッチアウト。岡田監督が訴えてきた基本の大切さ。勝負の7連戦の初戦、チームを救ったワンプレーから見て取れた。