阪神・才木 圧巻7回1/3を0封5K「投げきりたかった」 リーグ単独トップ6勝目ならずも防御率1・54で3位浮上

 「阪神1-2巨人」(26日、甲子園球場)

 一身に浴びた拍手と大歓声が果たした仕事の大きさを表していた。阪神・才木浩人投手(25)が7回1/3を7安打無失点。イニング途中で交代を告げられ、ベンチに戻る際にはスタンド全体から、労をねぎらう声が飛んだ。リーグ単独トップに立つ6勝目はこぼれ落ちたが、防御率を1・54とし、リーグ3位に浮上した。

 虎党の称賛の拍手を受けながらも、才木は顔をしかめた。悔しげな表情にチームの勝ち頭としての自覚がにじむ。7回1/3を7安打無失点5奪三振。圧巻の投球も、もう満足できる器ではない。

 「任されたイニングは最後まで投げたいなと思っていたので。投げきりたかったですね、正直」。初回は三者凡退で立ち上がり、二、六回は得点圏に走者を置きながらも無失点。相手打線の早打ちを巧みに利用して凡打を構築した。六回まで無安打投球を続けていた巨人・菅野に食らいつき、先制点を与えず。ただ、1点リードの八回1死二塁で降板を告げられた。

 両リーグトップの6勝目の権利を手にしてマウンドを降りるも、チームは敗れてかなわず。それでも、開幕から全て日曜日を任されてこの試合まで5連勝の勢いに乗り、好投を果たした。

 「サザエさんを見るのが嫌だった」と幼少期は月曜日を予感させる“サザエさん症候群”に陥っていた苦手な曜日だったが、今では“サンデー才木”として躍動を続けている。

 好調を維持できる要因は“マンネリ防止”のメンタル術。「調子がいいと感じる時はあえて息抜きを入れる」と趣味のゲームをする時間をわざと多めに取り入れ、野球から離れる時間をつくる。力みっぱなしで1シーズンは過ごせない。「調子が悪くなったときにグッと力を入れられるように」。防御率はリーグ3位の1・54で、奪三振数もリーグ2位となる47の好成績を残しながらも、勝負の後半戦を見据えて気持ちにゆとりを残して好投を重ねている。

 この日は始球式で女子レスリング五輪3連覇の吉田沙保里さんが登場。登板直前にマウンドであいさつを交わし、「ちょっとタックルくるかと思ったんですけど(笑)」とおどけられるほど、心に余裕があった。

 次回登板は交流戦。「(これまでと)変わらずでいい。どんどん自分のピッチングができるように」。パ・リーグの強打者も力でねじ伏せてみせる。

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