「オープン戦、ロッテ１－６阪神」（１３日、ＺＯＺＯマリンスタジアム）

　自らのバットで節目に花を添えた。阪神の佐藤輝明内野手が２５歳の誕生日にダメ押しの２点適時打を放った。「甘い球だったんで、しっかり打てて良かった」。プロ入り後３度目となる誕生日試合で初めてのバースデー安打となった。

　４－１の九回２死満塁で迎えた第５打席だった。カウント１－０から益田が投じた２球目。真ん中に入ったシンカーを捉え、しぶとく中前に落とし、２者を迎え入れた。８日・ヤクルト戦の第２打席で石川から左中間二塁打を記録して以来、１６打席ぶりの安打だった。

　二回の第１打席では左翼席からバースデーソングで祝福され「うれしかったです」と笑みを浮かべた。ロッテファンが陣取る右翼席からも拍手が送られるなど、球場全体が温かな雰囲気に包まれた。虎党は“祝砲”を期待したが、第４打席まで凡退が続いた。岡田監督は「代えようかなと思ってたけど、おまえ」と苦笑い。途中交代の可能性もあったが、最後に待望の一打が飛び出した。

　オープン戦では打率・１４３、１本塁打、４打点と停滞気味。指揮官も「いや分からへんで開幕（スタメン）は。そら分からへんで」とさらなる奮起を促すが、記念の一本を浮上の契機としたい。「しっかり結果を残して、最後に喜べるように頑張りたいと思います」と抱負を語った。最後に喜ぶために、新たに年齢を重ねた大砲が連覇へのけん引役を担う。