阪神の今秋ドラフト1位候補 関大・金丸 MAX153キロ左腕、大学生で初侍選出 地元・兵庫の逸材に熱視線
阪神が今秋のドラフト1位候補に、最速153キロ左腕・金丸夢斗投手(3年・神港橘)をリストアップしていることが4日、分かった。大学球界No.1左腕は6、7日に強化試合・欧州代表戦(京セラ)に臨む侍ジャパンに選出されており、7日に先発予定。阪神は今後も地元・兵庫県出身の逸材に熱視線を送り続けていく。
左腕王国の強化へ向けて、阪神は金丸を今秋ドラフトの最上位指名候補に据えた。球団関係者は「能力が高いし、ドラフト1位で競合するのは間違いない」と他球団と同様に高評価していることを明かした。
兵庫県神戸市出身の金丸は神港橘で甲子園出場経験はないが、関大進学後に才能が開花した。最速153キロで高い制球力も評価されている左腕。カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットなど変化球も多彩だ。
関西学生リーグでは現在18連勝中で、3年秋までで通算19勝2敗、防御率1・07。高校と大学の先輩、山口高志(元阪神コーチ、現関大アドバイザリースタッフ)が持つリーグ記録の21連勝まであと3勝に迫っている。
23年12月には愛媛県松山市で行われた大学日本代表候補の強化合宿に参加。視察した侍ジャパン・井端監督から高い評価を受けて6、7日に強化試合・欧州代表戦に臨む代表に選ばれた。明大・宗山(3年・広陵)らとともに、12年に代表が常設されてからドラフト指名前の大学生がトップチームに選出されるのは初の快挙となった。
阪神は以前から担当スカウトだけではなく、畑山統括スカウトも投球をチェック。嶌村球団本部長も活躍ぶりを把握するなど、早い時期から高く評価してきた。侍ジャパンの後もマークを続けていく方針だ。
将来を見据えて獲得したい逸材でもある。左腕では伊藤将、大竹の開幕ローテ入りが確実。門別、及川、富田らも控えている。救援陣も岩崎、岩貞、島本、桐敷と枚数は豊富。ただ、実績を残している左腕は20代中盤~30代で、20代前半は今後が未知数の面もある。
さらに昨秋のドラフトでは育成を含めて8人を指名し、うち5人の投手は全て右腕だった。さらに盤石な左腕王国を形成するためにも金丸はうってつけの存在と言える。
地元選手であることも大きな魅力だ。現在の阪神では村上(南あわじ市)、坂本(養父市)、佐藤輝(西宮市)、近本(淡路市)と兵庫県出身の選手が主力を担い、ファンの人気は高い。金丸を獲得できれば大きな注目を集めることは確実だ。
ドラフトでは競合覚悟で入札するのか、または競合を避けて昨年のように単独指名を狙うのか。戦略はまだ見えていないが、運命の日へ向けて大学No.1左腕の活躍を注視していく。
◆金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年2月1日生まれ。21歳。兵庫県神戸市出身。177センチ、78キロ。左投げ左打ち。小学1年から広陵少年野球部で野球を始め、広陵中では軟式野球部に所属。神港橘では3年夏の県独自大会で8強。関大では1年秋にリーグ戦初登板。関西学生リーグでは通算19勝2敗で、現在18連勝中。2年秋、3年秋にMVP、ベストナイン。最速は153キロ。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット。