阪神・青柳 村上の悔しい顔と高山のLINEが日本Sの原動力に 次は優勝の輪の中心で連覇を ふがいないシーズンも応援感謝

 ワイキキビーチを背にジャンプをする青柳(撮影・中田匡峻)
 アロハシャツ姿でハワイを満喫する青柳
 日本シリーズ第7戦で力投する青柳
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 阪神の青柳晃洋投手(30)がデイリースポーツ読者に向けて、さまざまなテーマをもとに本心を明かす「青柳SOUL」。第7回は、優勝旅行中のハワイからお届けする。不振で苦しみながらも日本一を果たした現在の心境や、日本シリーズ第7戦の裏側を語るとともに、“復肩”を目指す来季への強い意気込みを示した。

  ◇  ◇

 読者のみなさん、アロハ~青柳晃洋です。僕は今、初めてのハワイを楽しんでいます。家族でイルカウオッチングに行きましたが、幸運にもクジラも見ることができましたよ。

 入団してからずっと優勝したいなって思ってました。オリンピックで優勝した時に、これを何年間も一緒にやってる選手たちとできたら、もっとうれしいだろうなと思ってたので、実際に経験できてやっぱりすごいうれしかったです。何回でもしたいなって思うような経験でした。優勝パレードは、ライブで歌ってる人ってこんな感じなのかなと(笑)。これだけタイガースが応援されてるっていうのが分かって、すごい良い経験でしたし、またやりたいです。

 優勝を決めた日本シリーズ第7戦は、頑張る原動力となったことが2つあります。頌樹(村上)と、同期の高山からもらったLINEです。第6戦の五回くらいに、僕はトレーナー室でマッサージと治療を受けていたんですが、そこに投げ終わった頌樹が入ってきて。その顔が、今でも覚えてるぐらい本当に悔しそうでした。

 頌樹にとってこんなに良い1年だったのに、これで日本一になれなかったら、自分が勝てなかったからだと一生残ると思うので。僕も、2021年にヤクルトとゲーム差なしで優勝を逃した時、個人ではタイトルを取ったりしましたが、最後はそういう気持ちだった。だから頌樹にこの顔で終わらしちゃいけないなと気合が入りました。

 高山からは「自分のために頑張れよ」みたいなLINEをくれて、それで吹っ切れました。プレッシャーもありましたが、ダメだったらしょうがないぐらいの準備と気持ちで、自分が自分のために投げることが結果としてチームのためにも大事だなと思えました。

 ただ、最終的に日本一になれましたが、悔しさの方が大きかったです。優勝が決まる試合で「絶対おまえでいくぞ」って決まったわけじゃない。7戦目まで“回ってきたから”投げるじゃなくて、初戦を任されたりするような立ち位置でいたいなという気持ちがありました。今年に関しては、優勝の輪の中に入れたぐらいの感覚なので、次はその輪の中心に自分がいたいなって思いましたね。

 シーズンをトータルで見ても、しんどい思いや悔しさの方が大きいです。特にファームに落ちる前は、使ってもらってるのに結果が出なかったり、いつも通りやってるのに自分のボールが投げられなかったり、原因を探してる間に打たれて失点して…。あの時期は辛かったなと思います。ファームに行ってからも福さん(福原2軍投手コーチ)とかに「もっと楽しそうにやれ。見ててしんどいぞ」と言われましたね。

 原因として、自分はこれまで通りやってるつもりでも、体がついてこなかったということがあります。体を開かないと投げられない状態に無意識になっていたり、簡単なことで言えば、去年まで何の苦もなくできたブリッジが今年は結構しんどかったり。詳しい原因を調べる作業もしましたが、これが勤続疲労なのか、年齢による体の衰えなのか、どっちなのかなと。30歳まで野球ができているということは、毎年ある程度の成績を残しているからでもあるので。

 実際に、日本シリーズが終わってから20日ほどノースロー期間を作りましたが、キャッチボールを再開した時の状態はシーズンよりすごく良くなっていて、全然違うなと感じました。このオフは去年までできたことを元通りにできるようトレーニングをしています。

 来年はもちろん、キャリアハイを目指したいです。今年がダメだったから、まずは「規定投球回クリア」とかじゃなくて、毎年キャリアの最高を更新する気持ちは持っています。去年、投手3冠を取りましたが、僕はまた取れると思っている。まだまだ自分は成長できると思ってるので。しっかり投げられれば、成績を残せるっていうのは去年、一昨年で分かったので。だから、大口をたたけばそうなります(笑)。

 2年連続の開幕投手も、もちろんやりたい気持ちはあります。監督とは目が合わなかったけど(笑)(※)。でも、結果を出し続けることは本当に大変です。ブレークして、そこから消えてしまう選手もこの8年で見ているので。入団当初、能見さんに「1年なんか誰でもできる」って言われ続けていました。「2年、3年とやって、やっと一軍選手になれる」と。だから今年良かった選手は来年が大事なんじゃないかなと思いますね。その中で自分は、経験と年齢とで引っ張っていくような立場になるのかなって思います。

 最後になりましたが、ファンのみなさん、1年間応援ありがとうございました。僕はふがいないシーズンでしたけど、それでも最後まで応援してくれたファンの方々がいると本当に心強かったです。来年はふがいない姿を見せないように、青柳の試合を楽しみにしてもらえるようなピッチングをして、連覇を目指します。また応援よろしくお願いします。

 ※11月27日の球団納会で、岡田監督が「本当はここで来年の開幕投手を言おうと思ったんですけど今日はやめておきます。目が合ったんだけど、今」と発言した。

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