阪神・岡田監督が「正力松太郎賞」受賞 球団では03年星野監督以来3人目「めちゃ光栄よ」

 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が14日、東京都内で開かれ、阪神を38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布監督(65)が初受賞した。球団では3人目となる快挙。高知県内で取材に応じた指揮官は「めちゃ光栄よ」と喜びを口にした。特別賞はWBCで優勝した日本代表を率いた栗山英樹氏(62)と大リーグ、エンゼルスで日本選手初の本塁打王に輝いた大谷翔平投手(29)に贈られた。

 日本一の偉業に新たな勲章が加わった。安芸キャンプ休日、所用を終えた岡田監督のもとに朗報が届いた。日本プロ野球生みの親の名を冠した栄えある賞。球団では1985年の吉田義男監督、2003年の星野仙一監督以来3人目となる。選考委員会に出席した4人の満場一致で選ばれた。岡田監督は「うれしいよ、そんなの。初めてやし。なかなかもらえるもんちゃうやろ。誰とかじゃなしにな、みんなから選考で選ばれるいうことは。1年に1人やろ。それはめちゃ光栄よ、やっぱりな」と独特の“岡田節”で喜びに浸った。

 選考理由の一つとして挙げられたのが、両リーグ最多494を記録した四球数だった。選考委員会の座長を務めた元広島監督の山本浩二氏は「四球を重要視したというのは最近ではあまりないんじゃないか。内野手出身の監督として緻密さがあるという印象」と述べた。剛速球や本塁打といった華やかさよりも生え抜き中心で勝利に徹した“岡田野球”。「チームとしてどういう野球をした方が機能するかというかな、勝つためには。こういうふうにやった方がチームが活気づいて勝てるっていうかね」と虎将も胸を張った。

 3月にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)制覇で日本中を熱狂の渦に巻き込んだ日本代表「侍ジャパン」の栗山監督、大谷翔平を抑えての受賞だった。それだけ38年ぶりの日本一が高く評価された証左でもある。「それは現場だけじゃないよ。フロントとか編成、スカウトとかの結果やからな。そういう、みんなの毎年の積み重ね」。周囲に対する岡田監督の感謝は尽きなかった。

 視線は既に来季を見据えている。実り多き秋を経て、さらに進化した野球で球団初となる連覇に挑む。

 ◆正力松太郎賞 日本プロ野球生みの親として知られる、正力松太郎氏の業績をたたえ、1977年に創設。プロ野球発展に大きく貢献した人物に贈られる。コミッショナーから委託された「正力松太郎賞選考委員会」によって審議、選出される。正力賞の表彰者には金メダルと賞金500万円、特別賞は金メダルと賞金300万円が贈られる。選考委員は王貞治氏、山本浩二氏、高田繁氏、辻発彦氏の他にノンフィクション作家の門田隆将氏。王氏は欠席した。

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