「ＪＥＲＡ　ＣＳセ・ファイナルＳ・第２戦、阪神タイガース２－１広島東洋カープ」（１９日、甲子園球場）

　阪神が球団史上初となるクライマックスシリーズでのサヨナラ勝ちを収め、アドバンテージの１勝を含めた通算成績を３勝０敗とし、９年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。

　１－１の同点で迎えた九回、阪神は１死から大山が今ＣＳ初安打となる右中間二塁打を放つと、佐藤輝は空振り三振に倒れたが、続くノイジーの申告敬遠と坂本の四球を挟んだ２死満塁から、木浪が広島の守護神・栗林からサヨナラの右前打を放ち、息詰まる投手戦に終止符を打った。

　木浪は「坂本さんがフォアボールで出て、任せたぞ！と合図をくれたので、ここで決めようと思いました。２球目にボール球に手を出して、ヤバッと思ったんですけど、自分らしく食らいついていけて良かったです」と爽やかな笑顔をのぞかせた。

　阪神は１点を追う二回。１死から佐藤輝がチーム初安打となる右前打で出塁。続くノイジーも強烈な流し打ちで右翼線寄りに右前打を放つと、右翼・末包が後逸。一走・佐藤輝は激走を見せて一気に本塁生還し、“ラッキー打”で試合を振り出しに戻した。

　先発・伊藤将は、初回１死三塁で小園に先制の左前適時打を浴びて失点。それでも、徐々に調子を上げて四、五回は２イニング連続で三者凡退に抑えた。山場は六回。１死二塁と勝ち越しの危機を招くも、後続を断ち切って脱出。７回５安打１失点で役割を全うした。

　八回からは小刻み継投。２番手・石井が代打・田中、１番・菊池を抑えて２死を奪うと、３番手・島本にスイッチ。連打を浴びて２死一、二塁となったところでブルワーがマウンドに上がった。代打・松山を空振り三振に切ってガッツポーズ。１イニング３人の継投でピンチをしのいだ。九回は岩崎が三者凡退に仕留める好投で劇勝を導き、お立ち台では「いつも通り抑えたくてウズウズしてました」と定番のフレーズを口にし、スタンドのファンを沸かせていた。