阪神・佐藤輝 先制打&23号3ランで金字塔!90打点 生え抜き3年目以内では球団74年ぶり「自信になります」

 「広島東洋カープ5-6阪神タイガース」(1日、マツダスタジアム)

 完全に覚醒したんちゃうの!?阪神が佐藤輝明内野手(24)の決勝3ランで、自力2位確定へ執念を燃やす広島を退けた。三回の満塁機で先制打も放った絶好調男はこの日、4打点で球団生え抜き初となる3年目での今季90打点に到達。レギュラーシーズンは4日のヤクルト戦(神宮)を残すのみ。あと1本に迫った自己最多24本塁打を決め、勢いそのままにポストシーズンでもチームを引っ張っていく。

 佐藤輝が思い切り振り抜いた打球が、赤く染まったスタンドに向かって弧を描いた。右翼・末包が足を止める。豪快な一撃でまた一つ金字塔を打ち立てた。

 「向こうもいい球を投げていたと思うので、そこをうまく打てたと思います」

 同点の五回無死一、二塁。負けられない戦いの中、この日は中継ぎとしてマウンドに立った床田と対峙(たいじ)する。フルカウントから直球を2球ファウルにした8球目、内角に来たツーシームを迷いなく強振。「しっかり自分のスイングができた」という勝ち越しの3ランは今季23号となった。

 試合前まで左腕は今季阪神戦4試合に登板し2勝1敗、防御率2・67。チームが苦しめられていた投手との対戦だったが、「大体の考えは決めているので」と打席での準備もばっちり。大きな一発につなげた。

 これで床田に対して今季7打数打4安打、打率・571、2本塁打、6打点の好相性。CSでも対戦の可能性があるだけに「打てているのはいいんじゃないですかね」と胸を張った。

 三回1死満塁では中前に運び、先制に成功。チームが12打者連続で満塁機に凡退していた中での一打に「しっかりかえせて良かった」とうなずいた。この日一気に4打点を稼ぎ、2リーグ分立後、球団生え抜き3年目以内では初となる90打点を記録。こだわってきた数字に到達し「うれしいです」と喜びを口にした。

 優勝を決めてからも好調を維持している。9月以降、打率・347、8本塁打、27打点をマーク。「しっかり長い間打てているっていうのは自信になりますね」。2軍落ちも経験し、苦しんだ日々を糧とし大きな手応えをつかみ始めている。

 今季も残り1戦。本塁打はシーズン自己最多24本まで、あと1本に迫った。最終戦は本拠地・甲子園の13本に次ぐ4本塁打と好相性の神宮だ。一発を狙うほかない。「残り1試合なので、頑張ります」。“有終の美”を飾り、上昇気流のままポストシーズンに向かう。

 ◆猛虎史上2人目!球団生え抜き3年目以内の90打点 阪神生え抜きでプロ3年目以内選手がシーズン90打点に到達したのは2リーグ分立以降、佐藤輝が初。1リーグ時代を含めれば1949年・別当薫が入団2年目で126打点を記録して以来、74年ぶり2人目。また球団シーズン90打点は14年・ゴメス(109打点)以来、9年ぶり。日本人選手に限れば、11年・新井貴浩(93打点)以来、12年ぶり。生え抜き選手では10年の鳥谷敬(104打点)以来、13年ぶりとなった。

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