阪神・森下 涙晴らした!!代打一撃H 特打で即修正 将「18日にちゃんと打ったらええんやから、はっきり言うて」

 8回、代打・森下は左前打を放つ(撮影・中田匡峻)
 8回、左前打を放ち、右手をあげてベンチにアピール(撮影・中田匡峻)
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 「広島東洋カープ2-1阪神タイガース」(30日、マツダスタジアム)

 悔しさや歯がゆさ、何よりも結果への渇望。23歳の心中を駆け巡る言いようのない感情をバットに乗せた。スタメンから外れ、代打で登場した阪神・森下翔太外野手(23)が意地の一打を放った。

 「自分の中で、結果が一番次につながることだと思っていた。どんな形であれヒットが出たのは良かった」

 同点の八回1死から打席に送られた。カウント2-0からの3球目、島内が投じた154キロの直球をはじき返して三塁を強襲。白球は左前へ転がった。虎党の歓声、三塁側ベンチからの声に応えるように一塁上で軽く左腕を挙げた。安堵(あんど)に包まれながらも、表情は引き締まったままだった。

 29日・DeNA戦(横浜)では五回無死満塁で空振り三振に倒れるなど、3打数無安打2三振で交代を命じられた。ベンチで人目をはばからず涙を流し、タオルで顔を拭った。

 一夜明けたこの日、試合前には迷いを振り払うように室内練習場で打撃練習を行った。5打席ぶりの安打は、これまでのすり足ではなく、左足を上げた打撃フォームから生まれた。「CSに一番いい状況に持っていくためにも、何か変化を加えた。また(フォームを)戻したりすると思いますし、結果を出したいという上でいろんなことを試した」と試行錯誤を説明した。

 そんな姿を、時には突き放しながらも岡田監督は見守っている。「(CSファイナル初戦の)18日にちゃんと打ったらええんやから、はっきり言うて」。耳触りのいい言葉で容易に褒めることはしない。ただ、ポストシーズンで主軸に据える考えに変わりはないことを明確に表現した。

 苦しみ、もがける状況にいられるのは、この1年をかけて、自ら汗を流して築き上げた立場があるから。この夜の1本を復調の足がかりにできるかは自分次第だ。「何とか結果で返さないといけないと自分でも感じている」。涙の数だけ強くなれる。

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