【岡義朗氏の眼】阪神守備陣がミスを補った2つの併殺プレー 積極性のたまもの
「広島東洋カープ3-9阪神タイガース」(16日、マツダスタジアム)
阪神が16安打9得点で大勝した。一方で今季最多の1試合4失策を記録。チーム失策数がリーグワーストの78失策となったが、そんな中でデイリースポーツ評論家・岡義朗氏(69)は「ミスを補う2つの併殺プレー」に注目した。
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阪神内野陣はこの試合、4つの失策を記録した。足がそろう。グラブを出す角度が悪いなど、それぞれに理由はあるもの。ただミスを補う2つの併殺プレーにも着目したい。
初回、3点を先制したが、その裏、いきなり中野が失策。だが、田中の二ゴロで併殺を奪い、試合の流れを渡さなかった。大山の失策が絡んだ五回は一死一、三塁から木浪の好守で併殺を完成させて切り抜けた。
ミスというのは「安全に処理したい」という気持ちが、逆に動きを鈍らせて起きることが多いが、今年一年を通して感じるのは、走者を出した後の積極守備。チーム失策数が多い割に、併殺奪取数も多い理由は“受け”から“攻め”に転じるこの積極性のたまものだろう。
木浪は送球を受けたあとのピボットプレーで一塁へ転送する動きが速い。捕球のポイントを前に置き、ボールを奪い取るようにしてグラブを出すからだ。いいコンビですよ。岡田-平田の二遊間を思い出すね。