岡田阪神 凱旋甲子園でM消滅 九回岩崎が連続被弾「そら、まさかやろ」 球団新の月間20勝ならず

 「阪神タイガース2-3横浜DeNAベイスターズ」(29日、甲子園球場)

 長期ロードを終えて帰ってきた甲子園は、まさかの暗転での黒星となった。八回に2点を奪った中、九回に阪神・岩崎優投手(32)が2者連続弾を許して逆転負け。広島が勝利し、優勝マジック消滅となった敗戦にも、岡田彰布監督(65)は左腕を責めることなく前を向いた。気持ちを切り替え、30日には甲子園に六甲おろしを響かせたい。

 長期ロードを終え、ナインの帰りを待っていた甲子園に悲鳴がとどろいた。守護神・岩崎が2者連続被弾。信じがたい光景に、スタンドは騒然となった。

 「そら、まさかやろ。だから、先頭な、追い込んでなあ。2ストライクからやったからなあ。(佐野の本塁打は)初球か。そういう時もあるしのお。まあ、しゃあないわ。もうな。風でいくと思わんかったけどなあ」

 岡田監督は予想外の結末に驚きつつ、淡々と言葉をつないだ。

 2点リードの九回に悲劇が待っていた。岩崎は先頭の代打・蝦名に中前打を許すと、佐野に速球を振り抜かれ、右中間席に飛び込む同点2ランを被弾。これは岩崎が今季初めて浴びた本塁打だった。

 さらに牧にはチェンジアップをすくわれ、打球は左翼席ギリギリに着弾。瞬く間に勝ち越し点を献上した。球団月間最多タイ10セーブ目前、安定感抜群の左腕が1死も奪えずに沈んでしまった。

 「切り替えてやるしかない?そうですね、頑張ります。(先頭の安打は)もったいなかったですね、全部ストライクだったので」

 試合後、岩崎も先頭打者への投球を悔やみつつ、必死に前を向いた。ただ指揮官の信頼が揺らぐはずがない。セーブ失敗は6月17日・ソフトバンク戦(甲子園)以来。失点も実に24試合ぶりだった。

 「責める、責めんとかの問題じゃなしになあ、2点取って、勝ちのピッチャーを出してるわけやから」。直前の八回に坂本が値千金の先制打。ミエセスも2点目を叩きだした。岡田監督が繰り出す代走、代打の策が次々と的中していた中での、まさかの暗転だった。

 2位・広島が勝ち、優勝マジックが初めて消滅。この日と30日の連勝で達成できた月間最多勝利数の更新はならず、ゲーム差は6に縮まった。それでも初回から今永に球数を投げさせ、2番手・ウェンデルケンを攻略。九回も森原を追い詰め、長期ロードで球団最多18勝を挙げた粘り強さを発揮した。

 「よう、あそこまで投げるわな、今永もな、大したもんや」。岡田監督は今永の力投をたたえながら、クラブハウスへ続く通路を歩いた。勝負の9月へ、再び、カウントダウンの鐘を打ち鳴らす。

 ◆月間10セーブお預け 岩崎が6月17日・ソフトバンク戦(甲子園)以来24試合ぶりの救援失敗。セーブを挙げていれば、自身初で球団最多タイの月間10Sだった。過去に藤川が2度、呉昇桓、ドリスがそれぞれ1度ずつ達成している。

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