「西武１－３阪神」（３０日、ベルーナドーム）

　阪神が劇的な逆転勝利で今季３度目の４連勝。貯金を今季最多の１３とした。デイリースポーツ評論家・谷佳知氏（５０）は、８回１失点の好投で５勝目をあげた先発の村上頌樹投手（２４）を「もう何年も２桁勝利を続けているエースのように見えた」とたたえた。

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　序盤は少し制球が甘かったし、絶好調ではなかったと思う。それでも村上は慌てることなく、西武打線を見下ろすように投げ続けた。マウンド上での堂々とした振る舞い、簡単にアウトを重ねていく姿は、もう何年も２桁勝利を続けているエースのように見えた。

　相手の各打者は村上の生命線でもある外の真っすぐを狙ってきていたが、キレがあるから前に飛ばない。外の真っすぐを十分に意識させた上でフォーク、カットボールなど変化球を巧みに交えて打ち気をそらすのも、抜群にうまい。五回無死、外角真っすぐで見逃し三振に仕留めた鈴木への投球などはその象徴だろう。

　今のプロ野球界で最も、「外の真っすぐで勝負ができる」投手だと思う。私が現役時代に対戦した中では、中日の吉見一起投手にイメージが重なる。

　今の阪神は取れる時にしっかりと点を取り、無駄な点を与えない。隙がない強者の野球ができている。交流戦でも順調に勝利を積み重ねていくだろう。