阪神・浜地 目指すは八回の男 「葛藤はない」先発への思いは封印

 ブルペン入りする浜地(撮影・西岡正)
 サブグラウンドでキャッチボールを行う浜地
 ウオーミングアップで走る浜地
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 「阪神春季キャンプ」(21日、宜野座)

 担当記者が1人の選手の一日を徹底マークする「密着25時」。昨季は主に「七回の男」として飛躍を果たした阪神・浜地真澄投手(24)にスポットを当てる。今キャンプは中継ぎ一本で勝負することを決断し、新フォームや新球の習得に取り組む。23日には2度目の実戦となる中日戦(北谷)で登板を予定。勝ちパターン定着、「八回の男」への“昇格”を狙い、腕を磨いている。

  ◇  ◇

 「えーっと、まずは6時起床で~」。浜地はおちゃめな笑顔を見せた。前日に“密着マーク”のお願いをしたところ、少し困ったような表情で了承してくれた右腕。あまり乗り気ではないのかと不安に思っていたが…。起床から一日の流れを丁寧に教えてくれた。

 ブルペンでは、直球にカーブ、カットボールを交えて36球を投じた。右打者の外角へ7球を投じた後、内角へ7球。さらに8球直球を確認してから、変化球を織り交ぜる。最後の4球は右打者を立たせて投げ込んだ。

 今キャンプは『新フォームの完成』をテーマに掲げる。オフには4年連続で弟子入りしたメッツ・千賀との自主トレで、米国の最先端トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を訪問。「去年のフォームだと頑張らないといけなかったので、もっと効率良く力を伝えられるように」と、1年間を投げ抜くためのフォーム作りに取り組んでいる。「ドライブラインで勉強した事と千賀さんに教えていただいたものを」と主に軸足の使い方に重点を置く。キャッチボール中にも、軸足に体重を乗せながらフォーム確認をする場面が何度も見られた。

 ある決意で臨んでいる。プロ3年目の19年には開幕ローテ入りするなど、これまで先発として調整してきた。だが、昨季はセットアッパーとして七回を任され、自己最多52試合に登板して21ホールド、防御率1・14と飛躍。「先発の思いはめちゃくちゃあります」と率直な思いを告白したが、「今年は中継ぎで勝負すると決めたので、葛藤はないです」と明かした。

 目指すのは「八回の男」だ。「八回に投げられたらタイトルというところも見えてくると思いますし、一生懸命投げて、結果的に良いポジションにいけたら」と意気込む。

 ブルペンも中継ぎ仕様だ。昨年と比較すると、今年の全体練習時のブルペンは40球以内という少ない球数で、ほぼ毎日入っている印象。岡田監督の意向を踏まえたチーム方針に加え、「今までは先発をやりたい思いがあって、どっちつかずだった。中継ぎ一本と思っているので、試合を意識して」と少ない球数で連日投げ込むことを心がけている。

 セットアッパー定着へ、「秘密兵器」の習得にも取り組む。ブルペンでは「(持ち球の)パームじゃないチェンジアップいきます」と宣言して新球を投じている。昨季の奪三振率7・23から、さらに改善を求める中で「落ちる球」の習得に着手。模索を続ける中で「速くて沈むチェンジアップ」にたどり着いた。ただ「正直まだ使えるボールじゃない」と試行錯誤の段階だ。

 「これで良いですか?」。肌寒さを感じる風が吹く中、たっぷりと取材に応じてくれた浜地。日頃の努力を改めて知り、昨季以上に“鮮度抜群”な投球を期待したくなった。

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