阪神・矢野監督 打線組み替え不発 0勝3敗でCS突破絶体絶命「もう思い切り挑戦するだけ」

 勝利のタッチを交わすヤクルトナインを尻目に、足早にグラウンドを後にする矢野監督(撮影・飯室逸平)
 9回、糸原が凡退に倒れゲームセット。ベンチからグラウンドを見つめる佐藤輝(中央)、近本(左から2人目)ら阪神ナイン
 3回、村上(55)に逆転2ランを浴びて静まり返る阪神ベンチ
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 「セCSファイナルS・第2戦、ヤクルト5-3阪神」(13日、神宮球場)

 虎が崖っぷちに追い込まれた。「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルS第2戦が行われ、阪神は痛恨の敗戦を喫した。アドバンテージを含めて0勝3敗となり、CS突破には残り4連勝しかない状況となった。過去、CSではセ・パ通じて1位球団以外が連敗から突破したケースはないため、厳しい状況であることに変わりはないが、諦めずに戦うだけだ。

 降り続く雨で煙る神宮で、奇跡のドラマがかすんでいく。九回に反撃を見せたが、1点止まりでゲームセット。決め手の差をまざまざと見せつけられる敗戦で、矢野阪神が崖っぷちに追い込まれた。

 思い切った打線改造が不発に終わった。今季143試合全てでスタメンに名を連ね、ここまでのCS4戦も6番で先発出場していた佐藤輝をベンチスタートに。代わりにマルテを先発出場させた。

 マルテを途中から三塁守備に就かせた12日の試合後に、矢野燿大監督は「ある程度リスクはね。シーズンではやってないわけやから。でも、短期決戦でバッターの状態や相手ピッチャーとかいろいろ考えてきたら、やっぱりそういうことも必要かな。今日できたことは良かった」と、この日のオーダーを示唆していた。

 佐藤輝は12日の試合で、4タコ3三振。調子を優先し、マルテを今季レギュラーシーズンでは一度も守っていない三塁に就かせるという“荒療治”に出た形だ。マルテは七回と九回に犠飛で2打点を挙げたものの、勝利には結びつかなかった。

 安打の数は阪神が11本、ヤクルトが7本と上回ったにもかかわらず、2点差で敗れた。ヤクルトが村上をはじめ、3本の本塁打で得点を重ねていく。その一方で阪神は、2度の2死満塁で無得点と肝心な場面で1本が出ない。シーズン中と同じ結果が繰り返されただけだった。

 この敗戦でアドバンテージの1勝と合わせ、ヤクルトに3勝を先勝された形となった。残された道は4連勝のみ。CSが導入された07年以降、シーズン2位以下のチームがファイナルS初戦から2連敗し、逆転で日本シリーズに進出した例はない。つまりデータ的には突破率は0%となってしまった。

 このまま終わってしまうのか。CSファーストSの、あの熱闘はなんだったのか。3連敗でのスイープを許すようなら、あまりにも矢野阪神の終わりとしては寂しすぎる。試合後は「もちろん負ければ終わるので。みんなそういう思いでやってくれると思うので。もう思い切り挑戦するだけですね」と話した。何とか、土俵際からの粘り腰を見せてくれ!

 ◆前例なし 2007年以降、セ・パ両リーグで過去29度開催されたCSファイナルSで、シーズン1位以外の球団が初戦から2連敗後に逆転でCS突破した例はない。

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