【金本知憲氏の眼】シーズン中にもよく見た零敗 ベンチがいくら指示出してもやるのは選手

 「セCSファーストS・第2戦、DeNA1-0阪神」(9日、横浜スタジアム)

 阪神が完封負けで接戦を落とした。これで対戦成績は1勝1敗のタイとなり、ヤクルトの待つファイナル進出の決定は3戦目に持ち越しとなった。DeNAの投手陣を前に、セ界ワースト記録となるCS1試合14三振を喫した試合をデイリースポーツ評論家・金本知憲氏(54)が解説。選手たちに打席での工夫、対応の必要性を説いた。

  ◇  ◇

 終わってみればシーズン中にもよく見られた、ピッチャーが抑えても点を取れずに負けるという結果だった。もちろん、DeNAの大貫の状態が良かったことがある。直球にキレがあり、変化球も良かった。特に、いやらしいボールだなと感じたのがカーブ。落差があり、阪神の打者にとって邪魔になっていたのではないか。

 私の場合、こういう投手との対戦ではまず最初に直球をつぶしにいく考えだった。そこには割り切りも必要で、直球一本に絞って変化球がきたらごめんなさい、ぐらいの感じで狙って打ちにいって、仕留める。そうすれば、相手バッテリーも配球を考えて、直球を見せ球にして変化球主体になったりする。

 対大貫という部分で、ベンチからも指示は出ていたと思う。ただ、いくら指示を出してもやるのは選手。よく打席での工夫や対応と言うが、大貫の直球にキレがあると感じたなら、例えば早めに始動して早めにトップを作るとか。少し早いぐらいのタイミングで、泳ぐぐらいで打ちにいくとか。そういうイメージをいかに個々が持てるかも大切となる。

 第3戦に向けてで言うと、こういう短期決戦は運が左右する部分も大きいが、その中でできることをしっかりとやる。打者であれば、相手投手をどう打ち崩すかだけ。これは個々の世界、対戦で、打席で相手との勝負に勝てるかどうかだ。

 いずれにしても次がファーストステージの最後で、勝たないと次に進めない。投手起用も連投とかは関係ないだろうし、全力でぶつかるしかない。

 ◆セ界ワーストの14三振 クライマックスシリーズの1試合14三振はセ・リーグワースト。これまでは13三振で巨人が中日との2007年・ファイナルS②、中日が巨人との09年ファイナルS③で記録。9回までの両リーグ最多は日本ハムが08年ファイナルS④で記録した15三振。延長戦を含めればソフトバンクが14年ファイナルS⑤で記録した18三振。

 ◆わずか2安打…球団ワーストタイ クライマックスシリーズでの1試合2安打は球団ワーストタイ。巨人との2019年ファイナルS④で記録して以来、2度目となった。

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