阪神拙攻で森木見殺し 四回無死一、二塁でまさか3者連続K 矢野監督「残念」
「中日4-1阪神」(28日、バンテリンドーム)
好投の森木を見殺しにしてしまった。阪神は4点を追う九回無死満塁から代打・原口が左翼ポール際へ大飛球を放つ。グランドスラムなら同点だ。バンテリンドームがどよめきに包まれたが、打球は惜しくもファウル。結局、中犠飛で1点を返すのが精いっぱいだった。
「残念というか森木に引っ張られているようじゃさみしいよね」
試合後、「素晴らしいものを見せてもらった」と森木をたたえた矢野監督は、攻撃陣に話題が及ぶとため息をつく。序盤から好機を作りながらあと一本が出ない。歯がゆく、重苦しい展開が続いた。
三回無死一塁から島田が初球のバントをファウル。2球目は強攻策に切り替えたが、遊ゴロ併殺でチャンスの芽を摘んでしまう。四回は佐藤輝、大山の連打で無死一、二塁。柳を追い詰め、先制の絶好機だったが、好調のロハス、木浪、坂本がまさかの3者連続三振。二回2死満塁、五回の1死二塁を含め、得点圏では5者連続三振と野手陣の気合が空回りした形だ。
「気持ちはあると思うんだけどね。行動と結果で示すのがプロ。『森木が投げてるんやったら』というようなそういうのを出せなかったんで。逆に森木に引っ張られて残念だったなと俺は思ってる」
指揮官は「残念」と繰り返し、森木を援護できなかった拙攻を悔やんだ。前日の快勝から一転、なかなか波に乗れない。大逆襲に転じるはずだった夏の長期ロードは、コロナショックにも見舞われ、10勝14敗でフィニッシュ。8月は2試合を残して、5月以来3カ月ぶりとなる月間負け越しが決まった。
名古屋では今季ラストゲーム。試合後、左翼席へ頭を下げた矢野監督らに虎党から激励の拍手が送られた。残り22試合。ファンにも森木にも、白星という結果で借りを返したい。