担当スカウト信じる「阪神のエース藤浪」「努力してる姿をずっと見てる」

 「巨人1-5阪神」(20日、東京ドーム)

 阪神・畑山俊二統括スカウト(58)が20日、今季初勝利を飾った藤浪にエールを送った。高校時代から密着マークし、阪神入団に尽力したベテランスカウト。ここ数年の低迷から復活を目指す藤浪の努力を明かすとともに、虎のエースになってほしいと願った。

  ◇  ◇

 節目のプロ10年目。畑山スカウトは「早いねぇ、早い。もう10年かっていう感じやね」と感慨を込めた。

 「スタートが順調すぎるぐらい順調だったから、こんなに波瀾(はらん)万丈になるとは思わなかったね」

 大阪桐蔭で甲子園春夏連覇を遂げた藤浪は1年目から開幕ローテで回り、3年連続2桁勝利をマーク。16年までの4年間で計42勝を挙げ、エースへの階段を駆け上がっていた。

 だが、制球難から歯車が狂い、成績は下降線をたどっていく。17年3勝、18年5勝、19年0勝…。畑山スカウトはどん底から懸命にはい上がろうとする姿をつぶさに見てきた。

 「当初は『頑張れ!』というような声かけが多かったけど、もうホント頑張ってるんでね。誰もが知らないぐらい、技術的なこともメンタル的なことも勉強したり、いろんな情報を入手して。何とか良くなろうと努力してる姿をずっと見てるんでね。もう『頑張れ』っていう言葉じゃないかと。『復活してほしい』という気持ちだけで見守っている。最近は」

 ここ2年は不調の底を脱した感がある。今季も青柳に代わり、2年連続開幕投手の大役を務めた。その3月26日・ヤクルト戦は7回3失点と粘投したが、3試合連続白星なし。その後は新型コロナウイルス感染、交流戦での中継ぎ登板…。我慢の時を経て、ようやく出番が回ってきた。

 「開幕戦で勝っていればトントントンと行けてたかもって、みんな言ってくれる。でも晋太郎に本当に力があれば、(開幕当初は低迷していた)チーム同様にね。本来のものというか、レベルアップしてこられているなら、いい結果が付いてくるはずやしね」

 忘れられないシーンがある。2012年のドラフト会議。和田監督が4球団競合の末、クジを引き当て、振り向きざまにガッツポーズを決めた瞬間だ。会場だけでなく、控室のスカウト勢も歓喜したという。

 「ドラフトが終わった直後、控室でみんなでビールで乾杯したのはあの一回きり。それだけみんなで喜んだというか、あの感動というのは忘れられない」

 2軍暮らしが続いた今季も「晋太郎ならやってくれる!」と登板を心待ちにしてきた。「担当スカウトの思いになってしまうけど、例えば巨人が菅野、中日は大野(雄)が来た時に、ウチはもう晋太郎しかいないだろうっていうね。優勝が懸かった大一番も晋太郎に託すっていうね。そういう未来予想図を描いて獲得したピッチャーなんで、そこに行き着いてほしいという思いは変わってない」。スカウト生活20年目。虎の黄金時代の中心に藤浪がいると信じている。

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