岡田彰布氏 阪神は点を取るためにも佐藤輝、大山にはどっしりと打撃をさせるべき

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(64)が、自身の経験を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」。295回目は、阪神がAクラス争いを勝ち抜くためには打線の援護が必要との意見を示した上で、佐藤輝、大山にどっしりと打撃をさせるべきだと説いた。

  ◇  ◇

 阪神は前半戦を終えて勝率5割で2位タイとなった。最多借金16を完済しており、ここまで来たら3位には絶対に入らないといけない。とにかく3位以内にさえ入れば、クライマックスシリーズへ進んで、またチャンスがある。今は11ゲーム差の首位・ヤクルトを見ず、2位狙いでいい。

 Aクラス争いは2~5位が2・5差。最下位・中日が5位・巨人と3・5差と少し離れており、2位、3位に入れるチームは4チーム中2チームだろう。今後はつぶし合いになるし、なかなか抜け出せないことが予想される。最後までもつれるだろう。

 だから、阪神は勝てる時には絶対勝っていかなければならない。「勝ち試合を落とす」ということが多くなると、終盤に響く。

 どういう戦い方をしていくべきか。阪神は他球団と比較して総合的に力があり、特に投手力は安定している。先発は枚数がそろっている。リリーフも湯浅が台頭し、ケラーも開幕時よりかなり良くなっている。あとは打線の援護が必要だ。

 私は点を取るためにも、今後はどっしりと戦うことを提言したい。阪神を勢いづけるのは佐藤輝と大山の打撃、特にホームランだと思っているからだ。

 阪神は6月以降、主に1番から3番まで中野、島田、近本の並びで戦ってきた。足が速い3人の機動力は魅力的だが、4番・佐藤輝、5番・大山とホームランを打てる打者がいるだけに、そこまで機動力を使わなくてもいいと思っている。

 さらに1~4番まで左打者が並ぶと相手は勝負どころで左投手をぶつけてくる。それも考慮すると、新型コロナウイルス感染で離脱した山本が戻ってくれば、2番に置くことも一つの手だろう。山本はしぶといし、何でもできる打者だ。こういう右打者を挟めば、得点圏に走者を置いて佐藤輝、大山にどっしりと打撃をさせる状況が増やせると思う。

 Aクラスを争う他球団を見ると、怖いのは秋山が加入した広島、オースティンが戻ってくるDeNA。この2チームは伸びしろがあり、調子がいいと阪神と巨人が取り残されてしまう可能性もある。

 阪神には、とにかく勝利を優先していってもらいたい。先発投手はいい投手からどんどん投げさせるべきだと思う。投手起用は正解がないから難しいことだが、この世界は結果が一番。勝ったら正解になるのだから。

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