「阪神１－０ＤｅＮＡ」（２４日、甲子園球場）

　開幕直後の“スアレスショック”を見事に吹き飛ばした１人と言っても過言ではないだろう。この日も１点リードの八回を３者凡退で抑え、いいリズムのまま守護神・岩崎へバトンをつないだセットアッパーの湯浅。「いつもどおり、バッターに強気で向かっていくと思ってマウンドに上がりました」とリーグトップの２７ホールド目だ。

　昨季まで１軍での登板はわずか３試合で防御率１８・００。１８年度ドラフト６位入団で、１年目から故障に悩まされてきた。それでも今季はキャンプから頭角を現し、開幕１軍の切符をつかんだ。リリーフが安定しなかった開幕直後、重要な場面での登板を次々とクリアし、４月１３日の中日戦から１７試合連続無失点をマークするなど、虎のブルペン陣に欠かせない戦力となった。そしてオールスターにもファン投票で初選出された。

　それに比例するようにチームも交流戦から上昇気流に乗った。６月以降のチーム勝率は・６６７。「まだまだ学ぶことばっかりですし、これからもっともっと成長していけるように、一試合一試合、後半戦も準備していきたい」と謙虚に前半戦を振り返った。

　球宴を挟み、残りはちょうど５０試合。厳しい夏の暑さを乗り越え、２位チームとして１２ゲーム差の首位・ヤクルトを追っていく立場になる。湯浅は「最初はなかなかうまくいかなかったですけど、投打がかみ合ってここまで来れたと思うので。後半戦、もっともっと全員で力を合わせて断トツ１位のヤクルトを大逆転できるように頑張って行きたいです」と力を込めた。