阪神・伊藤将 甲子園9連勝“中野のジンクス”も関係なし!?井川以来の快記録達成

 7回1失点と粘りのピッチングを見せた伊藤将(撮影・高部洋祐)
 お立ち台でポーズを決める(左から)近本、伊藤将、湯浅(代表撮影)
 サンテレビの実況席に座る井川慶氏
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 「阪神3-1DeNA」(23日、甲子園球場)

 エースとして君臨したあの左腕以来の偉業-。阪神・伊藤将司投手(26)が7回1失点の好投で7勝目を挙げ、球団では井川以来となる甲子園9連勝をマークした。チームも安定した投球に導かれるように、好守連発&快打で連勝。前半戦ラストのDeNA戦に勝てば最大「16」あった借金を完済し、きょうにも自力Vの可能性も復活や!!

 黄色く染まった聖地をぐるりと見渡し、白い歯を見せた。「ファンのおかげです!」。虎党の後押しを受け、伊藤将が昨年9月1日・中日戦から甲子園9連勝。04年・井川以来となる快記録を達成だ。

 「自分的にはあんまり良くなかった」と本調子ではなかった。低めへの制球が持ち味だが、序盤は球が高めに浮く場面も。それでも、要所を締めて7回1失点のハイクオリティースタート(7回以上、自責点2以下)とゲームメーク能力の高さが真骨頂だ。

 2-0の六回に先頭の代打・細川に今季2被弾目のソロを浴びるまで聖地では30イニング連続の無失点。味方の守備にも助けられながら、緩急を巧みに使った投球で追加点は許さず、自身6連勝で7勝目を挙げた。矢野監督も「いや、もう十分、十分。ずっと将司らしさっていうのを(出してくれている)」と目を細める。

 くしくも、この日はサンテレビの中継にゲスト解説として井川氏が登場。猛虎のエースを担った先輩左腕の目の前で好投を見せ、「自分的にはこれからで、一つ一つの試合の積み重ねだと思います」とさらなる白星を誓った。

 “2年目のジンクス”も“中野のジンクス”も関係なし!?球団公式Youtubeで昨季公開された佐藤輝、中野との同期対談でのひと幕。伊藤将は中野から「僕がファインプレーした後に打たれる傾向があるので、気をつけてほしい(笑)」と注文を受けていた。だが、「今年はなさそうですね(笑)」と左腕。この日も二回無死一塁から宮崎の遊ゴロで鮮やかに併殺を完成させるなど、安定感のあるプレーを見せた同期に「やっぱり後ろを守ってくれているのは心強い」と日々、感謝している。

 今季は新人から2年連続で開幕ローテ入りを果たすも、新型コロナウイルスによる離脱を経験。悔しさをバネにしてここまで腕を振ってきた。「コロナで出遅れちゃったんで、その分しっかりと。前半戦最後、本当に勝てて良かった」。後半戦へ弾みをつける一勝。勢いそのままに、左のエースとなってくれ!

 ◆甲子園9連勝 阪神・伊藤将が昨年9月1日・中日戦から甲子園で登板9連勝。阪神投手の甲子園9連勝は、2003年4月30日・巨人戦~04年4月9日・中日戦に記録した井川慶以来。

 ◆借金完済あと1 阪神が勝ち、借金は「1」。今季最大は4月23日の「16」だった。24日も勝てば球宴前に完済となる。過去の阪神で借金「15」以上からの5割復帰は、1966年8月16日の借金「19」から10月7日に5割に戻した例がある。この年の最終成績は3位だった。

 ◆24日にも自力優勝の可能性復活 阪神が24日に勝利しヤクルトが負けか引き分け、もしくは阪神が引き分けヤクルトが負ければ、阪神の自力優勝の可能性が復活する。阪神は今季、5月31日に54試合目で自力優勝の可能性が消滅。6月1日に復活したが同9日に再消滅していた。

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