阪神・中野拓夢内野手（２５）が２７日、近本からトップバッターの心得を授かったことを明かした。２２日・広島戦から１番に座り、打率・３８５と絶好調。近本の金言を生かし、「初回の第１打席」からチームを引っ張る意気込みだ。２８日に２６歳の誕生日を迎え、決意も新た。横浜、名古屋と続くビジター６連戦で借金返済を狙う。

　いよいよ借金完済が見えてきた。約２カ月前、最大１６あった借金は再び４に。今週は横浜、名古屋と続くビジター６連戦。今季のロード成績は１５勝２２敗１分けながら、今の猛虎なら乗り越えられるはず。２８日に２６歳のバースデーを迎える中野が大暴れを約束した。

　「チームとしてはいい状態できていると思う。何とか誕生日に自分も活躍して、チームに勢いを持ってこられるように頑張りたい」

　２５歳ラストゲームだった２６日・中日戦は、６打数３安打、２盗塁の前祝い。２２日・広島戦から１番に座り、５試合で打率・３８５と絶好調だ。その裏には１番の先輩・近本の存在があったという。

　「『１番打者は初回が大事』と近本さんに言われました。『本当にその日は１打席目打てればいいくらいの気持ちでやればいい』とアドバイスをいただきながらやっています」

　中野が言うように、近本の初回打率は今季・２７５、昨季・３６５のハイアベレージを残している。一方、中野の今季の初回打率は・２５９。「ヒット、四球で塁に出れば盗塁という武器もある。初回の出塁率も高かった。近本さんのような１番打者になりたい」と目を輝かせる。

　先週、マツダスタジアムで２敗１分けと負け越し、開幕から広島戦１１戦未勝利の屈辱にまみれたが、甲子園での中日３連戦ではサヨナラ勝ちを含む３連勝と息を吹き返した。井上ヘッドコーチは「チェリー（中野）が打ち出したから、今は（打順が）スッキリしている」とキーマンに指名。チームは５試合連続２桁安打中で、６試合連続となれば８年ぶりのこと。活発な打線とともに、矢野監督も勝率５割を見据える。

　「３連勝っていうのは全然違う。折り返して（週末から）中日と同じ条件でやる。俺らはまだ、借金がある立場なんで、連勝していかないとなかなか減らないんでね」

　ペナントレースも折り返し、ようやく陣容が固まってきた。１４ゲームも離されたツバメをこのまま気持ちよく泳がせるわけにはいかない。連勝を伸ばし、虎のキバをむく。