【佐藤義則氏の眼】阪神・ケラー好投の理由「一番の違いはフォーク覚えたこと」
「ソフトバンク4-0阪神」(9日、ペイペイドーム)
阪神のカイル・ケラー投手(29)が1軍再昇格後の初登板で3三振を奪うなど1回を無失点に抑えた。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(67)は「一番の違いはフォークを覚えたこと」と指摘。新球種によって投球の幅が広がったことで「1軍でそこそこ頑張っていけるのではないか」と今後に期待した。
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1軍に戻ってきたケラーが1イニングを無失点に抑えた。開幕戦から2試合連続セーブ機会で失敗した時の投球と比べて、一番の違いはフォークを覚えたこと。この球で空振りさせたり、ゴロを打たせることができていた。
開幕時、本人はパワーカーブに自信を持っていて武器にしていたが、それほどブレーキが効いているわけでもなく、簡単に狙い打たれた。特に日本の選手はカーブを打つのがうまいからね。カーブが来ると分かっていればコンパクトに振って当てにくるので空振りは取れない。とても決め球にはならなかった。
しかし、新たにフォークを覚えたことで投球の幅も広がってくる。この投球なら今後も1軍でそこそこ頑張っていけるのではないかと感じた。すぐに勝ちパターンうんぬんとはいかないだろうけど、一つ一つ結果を積み重ねていくことで、いい場面で投げるチャンスも出てくるだろう。
先発のウィルカーソンは2試合連続で序盤KOされた。彼の持ち味は両サイドを丁寧に突いていく投球だけど、前回、そして今回といずれも変化球が高めに浮いていた。投げ込みをしたり、良かった時の投球を見返すなどして、どこにズレが出ているのかよく考えないと、また次回も同じ繰り返しになる。