【狩野恵輔氏の眼】阪神の「足」が生んだダメ押しの2点

 「ロッテ2-6阪神」(28日、ZOZOマリンスタジアム)

 阪神が今季20勝に到達。貧打に苦しんでいるチームだが、この日は左腕・佐藤奨の立ち上がりを攻めて3点を先制するなど打線がつながった。デイリースポーツ評論家・狩野恵輔氏(39)は、中でも九回に挙げたダメ押しの2点に注目。「“足”が生んだ得点だった」と指摘した。

  ◇  ◇

 阪神は九回に糸井の2点適時打でダメ押しした形になったが、これは“足”が生んだ得点だったように思う。27日の第1戦も糸原のディレードスチールなど2盗塁。この日も七、八回と得点には結びつかなかったが、近本、熊谷、島田が3盗塁を決めていた。

 そこで迎えた九回、先頭の近本が安打で出塁した。ロッテバッテリーは当然、仕掛けてくると警戒する。ピッチャーはクイック&けん制も意識する必要があり、それが制球の乱れにつながった。

 1死後に連続四球で満塁となり、糸井のタイムリー。足で相手バッテリーにプレッシャーをかけることによって、チャンスを生み出し、挙げることができた2点と言えるだろう。そして機動力を使うことによって、もう一つ、生まれるメリットがある。

 自分も捕手をやっていた経験上、走られたくないと考えれば、どうしても球種を速い球に限定してしまう。裏を返せば、打者からすると狙い球が絞りやすい。例えば相手の球種が直球、カットボール、チェンジアップの3つがあるとすれば、スピードがないボールは消すことが可能。それだけでもバッターからすれば、ヒットになる確率は高まる。

 ここまで打線全体の状態がなかなか上がってこない。だからこそ足を使って相手にプレッシャーをかければ、この日のようにいい四球も選べるし、ヒットになる確率は高くなり、打率も上がっていく。昨年、阪神が勝っていた時の野球がまさに、これだ。積極的に動くことの重要性を再認識するゲームになったのではないだろうか。

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