「巨人３－１０阪神」（３０日、東京ドーム）

　阪神の渡辺雄大投手が、１回を１安打無失点に抑え、３０歳でプロ初勝利を手にした。

　渡辺は２－２の六回に登板。先頭の広岡に左前打を浴びたが、大城はバント失敗で投ゴロに抑えると、代打・若林、吉川尚を連続三振に斬って取った。

　好投で流れを呼ぶと、続く七回の攻撃で一挙６得点。渡辺にプロ初勝利が転がり込み、試合後のヒーローインタビューでは開口一番、「かなり遠回りをして初勝利をしてとてもうれしく思いますし、誇りに思います」と感慨深げに話した。

　青学大から独立リーグを経て、２０１７年度の育成ドラフト６位でソフトバンクに入団。プロ３年目の２０年に支配下登録を勝ち取ったが、２１年オフに戦力外となった。その後はトライアウトを経て阪神と育成契約。今春のキャンプでアピールに成功し、開幕前の３月２２日に支配下登録された。

　ウイニングボールを手にし「本当に家族に心配も迷惑もかけてここまで来ましたので、家族に送りたいと思います」と感謝を口にすると、これまでのプロ野球人生を振り返って「遠回りをしたので、たくさんの人に無理だと言われた時もありましたが、それでも応援してくれる人がたくさんいました。そういう人の応援と声があきらめずに野球をやる原動力になったと思います」と目を細めた。

　チームはこれで５連勝。「今日、僕が３０歳で初勝利したように、阪神タイガースがここから巻き返して。優勝というのも決して無理ではないと思うので一戦一戦、一生懸命に頑張っていきたい」と力を込めた。