矢野阪神 球団最速20敗 デッドライン越え首位と13・5差 初回満塁チャンス生かせず

 1回、1死満塁の好機で捕邪飛に倒れるロハス(撮影・金田祐二)
 一礼して球場を後にする矢野監督(撮影・佐々木彰尚)
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 「ヤクルト1-0阪神」(23日、神宮球場)

 阪神がヤクルト4投手の継投の前に散発4安打で今季6度目の完封負け。たった一夜で貧打線に逆戻りし、矢野燿大監督(53)は「今日の試合なんか絶対に勝たなあかん」とぶぜんとした表情を見せた。両リーグ最速20敗で、25試合目での到達は91年の27試合を塗り替える球団史上最速。借金も再び今季最多タイ「16」となった。

 1点を追う九回2死、頼みの3番・佐藤輝が空振り三振に倒れると、矢野監督は足早にベンチを出た。前夜の快勝から一転、わずか4安打、今季6度目の完封負けで、球団史上最速25試合目での20敗到達だ。試合後、矢野監督の声には珍しく怒気が含まれていた。

 「初回?もうそこしかないよね。今日の試合なんか絶対に勝たなあかんし。あそこで崩せてたら(石川が)あそこまでいくことはなかったと思うし、あそこで点を取れないというのがもう全てやね」

 指揮官が悔やむのも無理はない。初回1死から熊谷、佐藤輝が連打し、鮮やかなダブルスチールを決めた。大山が四球で歩き、1死満塁。ベテラン石川の立ち上がりを攻めたが、5番に打順を上げたロハスが捕邪飛を打ち上げると、今季初スタメンの小野寺は見逃し三振に倒れ、最大の好機を逃してしまった。

 四回は1死一塁から小野寺が二ゴロ併殺、五回も無死一塁から梅野が遊ゴロ併殺。ただ、いずれも下位打線によるチャンスメークで近本のブレーキが痛かった。「チカ(近本)が(塁に)出てっていうところがうちの流れになると思う」と指揮官。この夜は4度の先頭で沈黙。1番に戻り3試合で11打数1安打と元気がない。北川打撃コーチも「本人もちょっと悩んでいる。経験がある子なんで自分で何とか調子を上げていってほしい」。打線のキーマンだけに復調が待たれる状況だ。

 デーゲームに勝った首位・巨人とのゲーム差は13・5となり、ついに巨人が08年に逆転優勝したセ・リーグ記録、13・0差の“デッドライン”を越えてしまった。ただ、三塁ファウルゾーンを歩く矢野監督へ、スタンドの虎党の声は温かった。「オレ自身もどうやって点を取るか考えていかないといけない」。負のデータが並ぶ中でも2カードぶり勝ち越しを決め、白星で応えるしかない。

 ◆虎史上最速20敗… 25試合目での20敗到達は1991年の27試合を更新する球団ワースト。54年・洋松、03年・横浜と並ぶセ・リーグ史上2番目のスピードとなった。なお、プロ野球最速は50年・国鉄で23試合。

 ◆無念のデッドライン越え… 首位・巨人が勝利したためゲーム差は今季最大13・5差に。セ・リーグ史上最大の逆転優勝は2008年・巨人で、阪神に13ゲーム差をつけられてからのものだった。なお、NPB史上最大の逆転Vは63年・西鉄の14・5ゲーム差。

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