小山正明氏 逆転負けの阪神はDeNAの執念に何を感じたかが大切

 5回、DeNAに勝ち越しを許し、降板を告げられる西勇(右から3人目)=撮影・飯室逸平
 5回、降板した後にベンチから試合を見つめる西勇。左は矢野監督(撮影・堀内翔)
 2回無死満塁のピンチで西勇(中央)の所へ集まる阪神アイン(撮影・西岡正)
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 「DeNA5-4阪神」(19日、横浜スタジアム)

 歴代3位の通算320勝を挙げ、「針の穴を通すコントロール」と称されたデイリースポーツ評論家の小山正明氏(87)が横浜スタジアムで行われたDeNA-阪神戦を解説。4点のリードを守れなかった阪神・西勇に苦言を呈した。

  ◇  ◇

 西勇は状況が読めてなかったね。佐藤輝が一発を放って、点差が「4」に開いた直後の二回の投球で、先頭のソトに四球。必要以上に神経質になっているなという感じを受けた。点差を考えれば、一番やってはいけないのが四球。長打を警戒していたとはいえ、先頭打者へ四球は守りのリズムを崩しやすく、その後の攻撃のリズムも狂わせる。

 この展開で一番避けたかったのが、走者をためること。まだ安打を打たれた方が割り切れたと思うし、最悪、本塁打でも良かった。というのも、三者凡退に抑えた初回から、これまでのような球の走りとキレを感じ取れなかったからだ。バットの芯で捉えられる打球が多かったのは、そのためだろう。

 試合前時点で19回2/3を連続無失点に抑えていた右腕の異変を、阪神ベンチはどこまで察知できていただろうか。

 阪神もDeNAも6連戦の初戦。先発には1イニングでも長く投げて欲しい試合だった。ロメロが2回までに4点を失っていたとはいえ、1点を返した二回1死満塁でDeNAの三浦監督は代打・宮本を告げ、内野ゴロの間に2点目を奪った。

 一方、2点を失いながらもリードしていた阪神は西勇を続投させ、四回に同点に追いつかれ、五回に勝ち越された。

 三浦監督は四回までに代打3人を送り込む采配を見せ、代打・藤田の適時打で同点に追いついた。劣勢下で勝負をかけ続けた采配に、選手も感じるところがあったはずだ。

 二回までに4点を奪った阪神の攻撃には復調気配を感じたが、追い上げられ、追いつかれ、勝ち越された後の反発力の乏しさは、この試合に限ったことではない積年の課題だ。

 連敗で借金は再び14に膨らんだ。122試合を残しているからといって楽観視はできないし、今後も厳しい戦いを強いられるだろう。痛い1敗に違いないが、三浦監督とDeNAの選手が見せた執念に、阪神サイドが何を感じたかが大切だ。

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