阪神・湯浅“鬼神”延長十一回聖地沸かせた無死三塁3人斬り!球団史上最速10敗到達も光

 延長11回、ピンチを切り抜け、雄たけびを上げる湯浅(撮影・高部洋祐)
 力投する湯浅(撮影・高部洋祐)
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 「阪神1-6DeNA」(6日、甲子園球場)

 ホンマに何でやねん…と言いたくなる延長戦での敗戦。だが光明はあった。阪神は延長十一回、無死三塁という絶体絶命のピンチを切り抜けた守護神・湯浅京己投手(22)だ。力強いストレートと強心臓でDeNAの上位打線をことごとく打ち取り、スコアボードにゼロを刻んだ右腕。2リーグ分立後、球団史上最速の10敗到達でも、希望の光は確かにある!!

 絶体絶命のピンチを迎えても、マウンド上の湯浅は冷静だった。犠飛、暴投すら許されない状況に陥っても魂の18球で崖っぷちの猛虎を救った。無失点で切り抜けると、甲子園のファンから万雷の拍手が注がれた。延長十二回の末に敗れたが、意地の込もった熱投は虎党の胸を打った。

 「ピンチの場面でしたが『やるしかない』という気持ちで一球、一球丁寧に投げることができました。相手に合わせることなく、自分の間合いで投げられたことが良い結果につながったと思います」

 いきなり最悪の状況が待っていた。延長十一回、先頭・大田の右前打に対してダイビングキャッチを試みた右翼・佐藤輝が後逸し、一気に三塁まで進塁された(記録は三塁打)。それでも、湯浅の表情には全く動揺の色は見られなかった。

 打順は1番に戻って桑原。フルカウントに持ち込まれたが、春先から磨き上げてきたフォークで空振り三振に仕留めた。続く楠本には151キロの直球で圧倒。バットを真っ二つに折り、打球は一ゴロ、バットの先端は三塁側へ飛び、三走・大田は全く動くことができなかった。

 最後に相対した佐野も148キロ直球で一ゴロに抑え、鮮やかにピンチを脱出。場内に漂っていた嫌な雰囲気を完全に変えた背番号65は自然とガッツポーズを繰り出した。

 初の開幕1軍。昨年は3試合しか登板のなかった右腕だが、開幕から守護神を任されたケラーの不振、調整不足による2軍再調整に伴い、今は“代役守護神”を担う存在だ。同点を守り抜き、プロ初ホールドを記録した。

 懸命に腕を振った右腕に、矢野監督も「ああいうところからね、自信をつけてもらって。ああいうポジションのところのピッチャーを育てないとダメ。きょうのピッチングを自信にしていってもらえたらいいんじゃないですか」と今後のさらなる成長を願っていた。

 同点の延長十二回に一挙5点を奪われる悔しい敗戦。試合後の球場には怒号が響き、救急車が駆けつける騒動も起きた。ナインもファンも求めるのは勝利だけ。白星をたぐり寄せるためにも、期待の22歳は快投を続けていく。

 ◆最速10敗到達 阪神が両リーグ最速10敗。開幕から11試合目での10敗到達は2リーグ分立後の球団最速。これまでの最速は20年の開幕から12試合目だった。

 【湯浅京己アラカルト】

 ◆生まれ 1999年7月17日、三重県尾鷲市出身

 ◆サイズ 183センチ、81キロ

 ◆球歴 小学4年から尾鷲少年野球団で野球を始め、尾鷲中時代は伊勢志摩ボーイズで内野手と投手。聖光学院2年で内野手から投手に転向も、甲子園でベンチ入りできず。17年にBC富山入団。18年ドラフト6位で阪神入り。

 ◆故障続き 入団1年目の19年は2度の腰椎骨折を負った。2年目はリハビリのため公式戦登板なし。21年は春季2軍キャンプ中に右足ハムストリングの肉離れを発症して出遅れた。

 ◆球種 スライダー、カーブ、カットボール、フォーク

 ◆趣味 音楽鑑賞、DVD鑑賞、釣り

 ◆座右の銘 雲外蒼天(そうてん)

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