矢野阪神7点差守れず“悔幕” リリーフ火だるまで球団史上初の屈辱「俺の責任」

 9回、ケラーはサンタナに勝ち越し2ランを許す(撮影・山口登)
 スタンドに一礼する阪神ナイン(撮影・飯室逸平)
2枚

 「阪神8-10ヤクルト」(25日、京セラドーム大阪)

 プロ野球がセ・パ同時開幕し、17年ぶりのリーグ優勝を狙う阪神が、球団史上初の屈辱にまみれた。中盤までに7点のリードを奪って優勢に試合を進めたが、斎藤、岩崎、ケラーの救援陣が総崩れでまさかの逆転負け。開幕戦で7点差を逆転されたのは球団初の汚点。今季限りで退任する矢野燿大監督(53)にとって痛恨の一敗となった。

 新守護神が次々と打ち込まれていく。目の前で繰り広げられる凄惨(せいさん)な光景を矢野監督はベンチからぼう然と見つめていた。大逆転を許して開幕星を落とした試合後、指揮官は努めて明るい表情で対応した。

 「(投手を)出した俺の責任として受け止めてるし。7点差をひっくり返されるというのはなかなかないのでね。これを受け止めながら、どう立て直していくかということを俺がやっていかなあかん」

 5点リードで迎えた八回。王者・ヤクルト打線が阪神2番手・斎藤に襲いかかった。サンタナにバックスクリーンに2ランを運ばれたが、それでもまだ3点差。何とか2死にすると、ベンチは岩崎をマウンドに送り出す。

 一時は7点をリードする展開だったが、なりふり構っていられない。やむを得ず“勝ちパターン”の継投に切り替えた。だが、しかし…頼みの左腕がまさかの3連打を浴びて1点差に。何とかリードを保って九回を迎えたが、今度は初登場のケラーがつかまった。

 いきなり山田に同点弾を食らうと、さらにサンタナにはバックスクリーンへ勝ち越し2ラン、長岡には右安打…。来日初登板で4連打を浴びた。

 ケラーはチーム合流から、わずか2週間。実戦4試合では3回2/3を投げて無失点を誇っていたとはいえ、“見切り発車”に近い形だったか。いきなり八回・岩崎→九回・ケラーの『勝利の方程式』が、もろくも崩れる事態となってしまった。

 「今のこの時点では、シーズンを戦う上でケラーに頑張ってもらわないとというのがあるんでね。現状はそう思っています」と矢野監督は、明日以降もケラーにストッパーを任す方針を明かした。

 キャンプイン前日に、監督が今季限りでの退任を明かすという、前例のない形で始まった2022年の矢野阪神。大量リードをひっくり返される最悪の形で“ラストシーズン”は幕を開けた。

 ◆猛虎史上初の屈辱 開幕戦で最大7点差をひっくり返されて敗れたのは球団史上初の屈辱。また、7点リードを守れなかったのは2013年8月20日・DeNA戦以来。球団史上最大差逆転負けは50年11月18日・西日本戦での9点差。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス