阪神・矢野監督 今季限りで退任 キャンプイン前日に衝撃表明「覚悟決められる」
阪神の矢野燿大監督(53)が31日、今季限りでの退任を発表した。キャンプイン前日に恒例の全体ミーティングを実施。その席で選手、スタッフに退任の意向を示した上で、今シーズンに懸ける思いを伝えた。超異例とも言えるタイミングでの発表に「伝えたことで戦っていく決意、覚悟はできた」と指揮官。まさに集大成となる最終年へ、退路を断って挑んでいく。
ミーティングを終えた矢野監督は、妙にすっきりとした表情でオンライン取材の場に現れた。そして…落ち着いた様子とは裏腹に、口にしたのは衝撃の事実だった。
「えぇ…俺の中で、今シーズンをもって監督は退任しようと思っているので。それを選手たちに伝えて…」
その瞬間、恒例のキャンプイン前日の会見は退任表明の会見へと打って変わった。
超異例と言えるタイミングでの電撃発表。この日を選んだ理由を指揮官は説明する。
「自分も覚悟をさらに決められる。俺たちに平等にあるのは24時間という時間と死ぬということだけ。2月1日の一日も、もう帰ってこない一日。まさに自分自身が監督として帰ってこない『今日』を、全力でやるという見本となれる一日を積み重ねていきたいなというところで、伝えさせてもらった」
選手たちにはキャンプ初日から、後悔しない日々を過ごしてほしい。その積み重ねが確実な成長につながる。そんな思いをプロ野球界の“正月”と言われるキャンプインの直前に伝えたかった。
決断したのは昨季終了後だったという。「(9月中旬に)続投要請を球団からしてもらっていた時に、自分の中でもいろいろ考えることも多くて。何が一番、チームにとっても、選手にとってもいいのかなっていう中で、シーズンが終わって決めました」。ゲーム差なしの2位という悔しい結果が出た後に、自らの退路を断ち、集大成の4年目へと向かうことを決心した。
監督就任から3年連続Aクラスという結果を経て、描くのはもちろん日本一という最高の形でのエンディングだ。
「俺たちの野球を貫くことの先に、それがあると思っている。本当にいいチームになってきている手応えはすごくある。全員のレベルをさらに上げる気持ちでこの1カ月を過ごしていきます」
サプライズ発表を経て迎える異例のキャンプイン。矢野監督を胴上げするために-。選手、スタッフが心を一つにして『2・1』からスタートを切る。
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