阪神・ドラ1森木 原点のボール持参 甲子園逃し渡された宿敵の勝利球 悔しさ糧に世界一の投手へ

 思い出のボールを手に入寮した森木(球団提供)
 虎風荘に入寮し笑顔を見せる(左から)前川、森木、中川(球団提供)
 明徳義塾・代木(左)と健闘をたたえ抱き合う森木。手にしているのが持参したボール=2021年7月28日
3枚

 阪神ドラフト1位・森木大智投手(18)=高知=が6日、同5位・岡留を除く新人6選手とともに、西宮市の選手寮「虎風荘」に入寮した。明徳義塾に敗れ、甲子園出場を逃した昨夏の高知大会決勝の試合球を持参。あえて宿敵のウイニングボールをそばに置き、悔しさをバネに「世界一の投手」を目指す。新人合同自主トレは9日から始まる。

 あどけなさが残る制服姿。初々しい表情で虎風荘に足を踏み入れた森木は、「もうプロに入ったので、これから一日一日大切に生活していきたいなと思っています」と気を引き締めた。

 入寮の“おとも”として選んだのは、意外なものだった。それは、昨夏の高知大会決勝で明徳義塾に敗れた際の試合球。高校3年間で甲子園出場がかなわなかった右腕にとって、悔しさの詰まった1球だ。時折、その瞬間を思い返すようにボールに視線を落とし、大事そうに握りながら経緯を語った。

 試合終了時に球審から手渡されたというボール。宿敵の勝利球となるだけに、最初は戸惑った。「ちょっとおかしいなと思って。(相手エース)代木君に渡してくださいって言ったら『持っとけ』って言われて。悔しさをバネにして頑張ってほしいっていうのが伝わったんで、もらいました」。球審の計らいに、決意を強めた。

 ライバルたちからも背中を押された。明徳義塾のナインには「最後のあいさつの時に、ありがとうとか、僕がいたから頑張れたって言う子もいました」という。「一生懸命やってきて良かったなと思えた瞬間でした」と笑顔で振り返った。

 因縁の関係はこれからも続く。代木はドラフト6位で巨人に入団。「彼は人としてもすごく素晴らしい人だと思うので、野球でも、そういう面でも負けたくない」。プロでも宿敵としのぎを削り、大きく成長する。

 夢破れた日、自身の野球日誌に「この悔しさは野球で晴らすしかない。プロの世界で晴らしたい」と記した黄金ルーキー。「多分、行き詰まった時に触ったりするのかなと思いますね」とじっとボールを見つめた。プロ入りへの思いを強めた原点とともに、厳しい世界を生き抜いていく。

 入団当初からの目標である「世界一の投手」を改めて宣言。「できるだけ多く、勝ち星を稼げるようにやっていきたいなと思います」。プロでは、数多くのウイニングボールを自らの手でつかみ取る。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス