【阪神ドラフト選手特集・中川勇斗(2)】プロを目指して京都国際・小牧監督のもとへ

 10月のドラフト会議で阪神から指名を受けた8選手(1~7位、育成1位)の連載をお届けする。7人目はドラフト7位・中川勇斗(17)=京都国際。

  ◇  ◇

 小学5年から小牧パンサーズに移籍し、本格的に捕手を始めた勇斗。当時の監督を務めた牛島慎一郎(65)さんは「正直言って、(当時は)思わなかったですね」とプロ入りに驚いたという。ただ、打撃には非凡なものがあった。

 6年夏の大会。強豪・守山ボーイズの前に1点も取れないまま試合が進んでいった中、勇斗が逆方向にライナー性の2ランをたたき込んだ。「バッティングには目を見張るものがありましたね」と牛島さん。ここぞの場面では誰よりも力を発揮した。

 味岡中学では愛知尾州ボーイズに所属。当時から指揮を執る藤川正樹監督(59)は「グラブさばきとか打撃とか、技術力はすごく高い子だなと感じました」と印象を語る。特長を生かすため遊撃からスタートしたが、3年時から捕手に一本化。小柄で、決して肩が強いわけではなかった分、「スナップが非常に柔らかいので。捕ってから送球までの速さ。上半身と下半身のフットワークに力を入れました」と肩をカバーするだけの力をつけていった。

 中学でも勝負強さは健在だった。最終学年の5月に行われた中日本大会2回戦。勇斗は2打席連続で、バックスクリーンへ一発を放り込んだ。「それがすごい印象に残っていますね。広角にバットコントロールできる勝負強いバッターでした」と藤川監督。そんな勇斗に、京都国際・小牧憲継監督(38)が「どうしても欲しい」とラブコールを送った。

 ただ、すぐには返事ができなかった。中学の卒団式で勇斗はこう宣言。「両親を必ず甲子園へ連れて行く」。当時、甲子園出場の経験がない同校を選ぶことは賭けだった。それでも「その上の、プロというところ(を目指す意図)で決めたんです」と母・初美さん。曽根(広島)、上野(日本ハム)、釣(オリックス)、早(ソフトバンク)をプロへ輩出した小牧監督の育成力を最後は信じた。

 勇斗は今年、甲子園に春夏とも初出場し、夏は2試合連発を放つなど聖地でも勝負強さを発揮した。それでも「課題がたくさん見つかった大会。まだまだ足りないと思った」。努力の末、甲子園もプロ入りもかなえた。飽くなき向上心で、厳しい勝負の世界も勝ち抜いていく。

 ◆中川勇斗(なかがわ・はやと) 2004年1月27日生まれ、17歳。愛知県出身。172センチ、72キロ。右投げ右打ち。捕手。味岡小1年から「味岡キングス」で野球を始め、同5年で「小牧パンサーズ」に移籍し、捕手を務める。味岡中時代は「愛知尾州ボーイズ」に所属。京都国際では3年時に春夏連続で甲子園に出場し、夏は2本塁打を放って4強進出に貢献。高校通算18本塁打。

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